無理して笑顔になる必要はまったくない
確かに笑顔はコミュニケーションの中でも最も有効なツールです。
笑顔になるだけで、会話する相手に「私はあなたの敵じゃないですよ」「あなたに対して好意を持っていますよ」というメッセージを伝えられますし、相手の警戒心を解き、安心感を与えることができます。
笑顔には、「ミラーニューロン」という、他者の行動を見て同じように行動しようとする共感神経を刺激して、見た人を同じように笑顔にするという効果もあります。
ですから言葉を発さない時も、笑顔でいられる人はそうするのがよいと思います。ですが、笑顔を作るのが苦手な方もいらっしゃいますよね。
一時的に、口角を上げるように意識しても、気を抜くとすぐに元通り。割りばしを口にはさんで口角を上げるトレーニングをしても長続きしない。
無理に笑おうとしたらぎこちなくなって、かえって不自然な表情になる恐れもあります。
そういう方は、無理に「笑顔を作らなきゃ」と頑張る必要はありません。
コミュニケーションのための本などで「円滑なコミュニケーションのためには、笑顔が欠かせない」という情報を見て、そう思い込んでいる方もいらっしゃいますが、必ずしもそうとは限りません。また、ビジネスなどでは、満面の笑みが合わないシチュエーションもあります。
「じゃあ、どうすればいいの?」
大丈夫です。どんな人でも失敗しないでできる、とっておきの方法があるのです。笑顔が苦手な方でもすぐに取り組めて、無理して笑わなきゃの呪縛から解放される、とっておきの方法です。
それは一体どんな方法なのかというと、ずばり、〝うなずく〟です。これなら誰でもできますよね。
私は、カウンセリングの場で、よくこんな言い方をします。
難しければ無理に笑顔をつくらなくてもよいので、少し表情を動かしてみたり、今までより1cmだけ深くうなずく、上半身をちょっとだけ前に倒してうなずく、手を使って少し動きを出す、といったことを意識してみてください。
これを先ほどの上司の方に実践していただいたところ、「怖い」「怒っている」「機嫌が悪い」といった印象がかなり薄まり、部下とのコミュニケーションがスムーズにいくようになった、と報告してくださいました。
そのくらい、表情や身体の動きといった非言語のリアクションは、相手が受け取る印象に大きな影響力を持っているのです。
なぜなら、動きを出すということは、その人の反応や感情の動きが伝わり、ある種の自己開示になり、また、〝話をちゃんと聞いている〟ということが相手に伝わるからです。
笑顔でなくとも、発言していなくても、動きがあるだけでも相手は安心感を覚えます。表情が大きく変化していなくても、体の動きで自分の感情をある程度伝えることはできるのです。
まず、会話をする時に、少し手や腕の動きを付けるように意識してみてください。
また、きちんと深くうなずくのも有効です。
せわしなく細かくうなずくのではなく、「しっかり・はっきり・ゆっくり」、うなずいてみましょう。1(うなずく)→2(顔をあげる)のように、心の中でゆっくり2秒数えてもいいかもしれません。首を振るというよりも、上半身を使ってうなずくようなイメージです。
私自身、産業カウンセラーの勉強をしている時に、例えば、電話をかけながら鏡を見る、というような方法で、まずあいづちの打ち方を徹底的に練習させられました。
すると、自分が思っているほどには深くうなずいていなかったり、口先だけで「はいはいはい、わかりました~」と軽い調子で言っている、など、実際にどんな表情でどんなリアクションをしているかを客観視できるのです。
身体の表情をオーバーアクションにするには、そのような練習も有効です。
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