「NO」と「否定」の本質的な違いとは
次の問題で、その違いを考えてみてください。
次のうちどちらが否定で、どちらがNOだと思いますか?
A「この味は私の好みじゃないかな」
B「これって塩気が薄いよね。え、これが美味しいの?」
すぐにおわかりかもしれませんが、Aが「NO」で、Bが「否定」です。
ふたつの違いは何でしょう?
Aさんは「私は」と言っています。Bさんの言っているのは、「あなたはこんな味が好きなの?」という内容ですね。実際に「あなたが」と口にしていなくても、誰が主語になるかを考えてみるとわかります。
「I」メッセージか「YOU」メッセージか、が重要なのです。
「私はこれが苦手」と言っているのは自分の意見を伝えているだけなので、「NO」を伝えているということです。
「あなたはこれが、美味しいと思うの?」という言い方は、「あなた」の好みにダメ出しをしているのですから、「否定」になります。
「あなた(の意見)はダメ」ではなく、「私はこう思う」と伝えるのが「NO」を伝えることです。
特に、「え、(あなたは)そんなのが好きなの?」というような否定の仕方は、わざわざ言わなくてもいい余計なひと言ですね。
このひと言を言わないことができるかどうか、が、〝感じがいい人〟と思われるか、〝感じが悪い人〟認定されるかの差なのです。
前述の男性にもこのようなことをお伝えしました。
そして彼はIメッセージとYOUメッセージの違いを理解したうえで、少しずつではありますが、本当に無理なことやイヤなことには「NO」と言うことを実践していったのです。やがて無理な頼まれごとや相談ごとが徐々に減っていき、必要以上に抱え込むことがなくなっていきました。
また、ご自分の現状や苦手なことを相手に伝えることによって、自分自身の気持ちがラクになったそうです。
3カ月くらい経つ頃には、「NO」と言うことで、かえって相手と率直にやり取りができるということにも気づき、人づきあいがスムーズになったのです。


