感じのいい人は、「話したいことを話す」「聞きたいことを聞く」という会話をしていません。感じがいい人は、まず最初に何を話すか、何を聞くか、そのポイントをしっかり押さえているのです。具体的なコツについて、心理カウンセラーの大野萌子さんの著書『いつも感じがいい人はこんなふうに話している』(アスコム)より、一部抜粋、再編集してお届けします。
聞く時は感情から聞く、話す時は事実から話す
感じがいい人になるには、伝え方と同じくらい、聞き方は大事です。
ここで、みなさんに問題を出します。
「職場の〇〇さんにこんなことを言われてね、私、実はかなりへこんだんだ。その場では笑ってごまかしたんだけど、内心すごくつらくて……」
友達にこんな話をされた時、どんな言葉を返すと感じがいいでしょうか?
A「そっか、すごくつらい思いをしたんだね……」
B「そうなんだ。それはいつのこと? 〇〇さんはどんな口調でそう言ったの?」
Aは友達の言った「つらかった」という言葉を繰り返していますね。友達の気持ちに寄り添っているような印象です。
Bは、友達の気持ちよりも、実際に何があったのか、を聞こうとしています。よかれと思い、「解決策を見つけて、手助けをしてあげたい」という気持ちが先に立つからこそ、このような回答をしてしまっているのだと思います。そういう事実確認も必要ではあるかもしれませんが、それによって友達の心が休まるかというと、そう簡単ではなさそうです。
この会話をしている最中に感じがいいのは、まず友達の気持ちに寄り添って、そのまま言われた内容を受け入れているAの答え方だと思います。
このように、自分が話を聞く立場の時は、まずは相手の感情に寄り添い、時に気持ちを話したほうが、断然感じがよいのです。
私はよく、カウンセリングの際に「聞く時は感情から」「話す時は事実から」とお伝えしています。なぜ、感情から聞いたほうがいいのか。
心理学に「感情ラベリング」という言葉があります。
感情を言葉で明確に表すことで、気持ちを整える手法です。
ネガティブ感情をあえて言葉にして吐き出すことで、脳の扁桃体の過剰反応を抑え、不安や怒りを和らげる効果が研究で確認されています。
友達が「つらい」と言ったのであれば、「そうなんだ、つらいんだね」と聞き手があえて言葉に出して、共感を示すことで、相手の心を癒すことができます。これだけで、相手から見れば、感じのいい人になるわけです。
こうした考え方は、ビジネスシーンでも活用されています。
大手カフェチェーン「スターバックス」が導入しているクレーム対応のメソッドに「LATTE法」があります。
● L isten
お客様の声に耳を傾ける
● A cknowledge
彼らの不満を認める
● T ake action
問題解決のために行動する
● T hank
お客様に感謝する
● E xplain
なぜその問題が起こったのかを説明する
という手順で、ポイントはまず最初に顧客の「感情」を聞くことです。感情を言語化したうえで、それを受け止めることで、怒りの感情を和らげて冷静な話し合いに持ち込むプロセスが、顧客満足度の向上に寄与しています。



