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2026.01.23 12:00

日本市場の混乱でウォーレン・バフェットが「思わぬ勝者」となった理由

Daniel Zuchnik/WireImage

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バークシャー・ハサウェイは、日本の商社株に大きな持ち分を築いてきた。これらの株式は、日本国債の売りとインフレ圧力の高まりを背景に、足元で非常に強い動きを見せている。

日本は現在、経済的なハリケーンにさらされている。日本国債は歴史的な売りに見舞われ、円は急落している。高市早苗首相による財政刺激策や減税案を巡り、投資家が動揺しているためだ。米国記事執筆現在、40年物日本国債の利回りは直近10日間で4%を超え、超長期の日本国債としては過去30年間見られなかった水準に達した。日本の政策当局にとって、危機が醸成されつつある状況である。

しかし、バークシャー・ハサウェイにとって、この混乱はむしろ追い風となっている。ネブラスカ州オマハに本拠を置く同社は、日本の5大商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事)、いわゆる「総合商社」に大きな株式持ち分を保有している。長年のデフレを経て、日本銀行がインフレ抑制のために利上げを進める中、これらを含む日本企業の株価は急騰している。過去3カ月で丸紅は30%超上昇し、住友商事は40%超の上昇となった。直近1週間の変動の中でも、5銘柄すべてが3%から11%の上昇を記録している。日経平均株価は直近5営業日で約3%下落したものの、過去6カ月では33%上昇しており、S&P500種株価指数が記録した8%のリターンを大きく上回っている。

バークシャーは2019年7月、5社すべてに対して各5%の持ち分を取得するため、合計65億ドル(約1兆270億円)を投じて初めて投資を行った。2023年から2025年にかけて、さらに73億ドル(1兆1530億円)を追加投資し、持ち分を拡大した。総額138億ドル(2兆1800億円)に上るこの現金での投資は、現在では約380億ドル(約6兆40億円)の価値となっており、240億ドル(約3兆7920億円)の含み益を生んでいる。

総合商社は配当面でも優良な存在だ。バークシャーは2025年の株主への手紙で、2025年には日本への投資から8億1200万ドル(約1280億円)の配当収入を得る見込みだと述べている。この配当利回りは、投資資金を調達するために発行した円建て債務の利息コスト(2025年は1億3500万ドル、約213億円)を十分に上回る。これらの投資は、バフェットの巧みな投資手法を象徴している。すなわち、年率1%未満のコストで円建ての資金を借り入れ、一方で商社は年率約4%の配当を支払っていたのである。

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翻訳=江津拓哉

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