1月はメンタルウェルネス月間だ。このテーマに関しては、よくある誤解として「脳は古いコンピューターのように年齢を重ねると必然的に衰える」という考えがある。だが研究はその逆を示している。脳は生きた臓器であり、心臓や肺と同じように、日々の習慣に応じて機能が向上もすれば低下もする。新しい年を迎え、健康な脳は2026年に幸福とキャリアの成功を後押しすることができる。
脳機能を発達させるも低下させるも自分次第
脳は、仕事でどれほどいいパフォーマンスを発揮できるか、そしてどれだけ昇進できるかを左右する。だからこそ、脳が最高の仕事をするために何を必要としているのかを知ることが重要だ。私たちは心臓や肺には多くの注意を払うが、脳についてはぞんざいに扱いがちだ。
科学者たちは画像診断技術を通じてこの驚くべき臓器の秘密を明らかにし、健康な脳にするためのシンプルな習慣も見つけている。そうした科学者の1人が、神経科学者で『The Invincible Brain: The Clinically Proven Plan to Age-Proof Your Brain and Stay Sharp for Life』の著者でもあるマジッド・フォトゥヒだ。
フォトゥヒは著書の中で、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、パーキンソン病、レビー小体型認知症、アルツハイマー病といった脳の病気には違いがあると述べている。
「いまあなたの脳がどのような状態だとしても、発達することも衰えることもできる。選ぶのはあなただ」とフォトゥヒは主張する。「頭がよく切れ、速く、賢くなり、実行機能と記憶を改善できる。あるいは脳を放置し、血行不良や脳の老廃物処理の低下、血流の阻害、神経細胞の死、認知機能障害などに苦しむことにもなる」
フォトゥヒは、定期的な運動によって年齢を重ねる身体が良い状態に保たれるように、健康的な生活習慣と脳の運動が認知の衰えを遅らせ、認知機能を改善できると話す。そして2026年に脳の健康を確立するための8つの習慣を勧めている。この健康プランの特徴的な点の1つは、1日の始まりと終わりに注意を払うことだ。
1. ポジティブな期待を抱いて1日を始める
朝目覚めた瞬間、すぐスマホに手を伸ばしたくなる衝動に抵抗するようフォトゥヒはアドバイスする。代わりに、ベッドの中で5分間リラックスし、1日をどんなふうに過ごしたいかを思い描くことを勧める。
良い1日になるはずと期待すれば、脳はポジティブな瞬間に気づきやすい状態になり、喜びや意味をもたらす機会を探し始める。逆に、最悪な1日となることを予想すると、脳はネガティブな要素を探すようになる。人が思う以上に期待は体験を形づくるとフォトゥヒは話す。
2. 瞑想でストレスを減らし、集中力を高める
脳を活性化させるために仕事中に2〜5分間ゆっくり呼吸することをフォトゥヒは推奨する。静かな場所を見つけて楽な姿勢で座り、6つ数えながら深く息を吸って吐くことを勧める。
鼻孔を通る空気に意識を向け、肩の力をゆるめる。このシンプルな呼吸法は、回復力のある強い脳をつくる強力なツールになるとフォトゥヒは言う。定期的にゆっくり呼吸することが集中力や記憶、感情のバランスを改善し、さらにはアルツハイマー病から脳を守る可能性すらあることが研究で示されている。
3. 命がかかっていると思って運動する
フォトゥヒによると、身体の健康は長寿と脳の健康を予測する最も強力な要因の1つだ。歩くことでアルツハイマー病のリスクが下がることが研究で示されている。1日わずか3000〜5000歩でも血流が改善され、炎症が減り、アルツハイマー病の主要因の1つであるタウタンパク質の蓄積を遅らせる。
「運動は脳にとって本当に『若返りの泉』だ。記憶や学習、意思決定、感情調整に関わる領域を拡大させる」とフォトゥヒは指摘する。「運動すればするほど、脳の学習・記憶・感情を担う領域で神経細胞がたくさん生まれ、全体としてより健康で幸福になる可能性が高まる」



