
ところが、このように細かいところまでよく調べているにもかかわらず、実際に就職してみたらブラックだったという経験を持つ人は55パーセントにものぼる。話が違うというやつだ。つまり、企業にウソをつかれては、どうすることもできない。「入社後、面接官の雰囲気がガラッと変わった」など、面接や職場の見学で受けた印象は、その場だけのフェイクである可能性すらある。

ではどうしたらいいのか。調査の監修を担当した特定社会保険労務士の内山美央氏は、残業が多い、残業代が出ないなどの問題は、「単に働きにくい環境という問題だけでなく、法令遵守が十分でない可能性を示唆するものであり、注意が必要」と話している。「ブラック」などと軽いカタカナ語で表現されてはいるが、その実は法令違反の不法企業と言われても仕方ない。しかも、企業側がウソの情報を発信しているとなると悪質だ。そうなれば、比較的信頼できるのは口コミだけとなる。
よくよく調べたのに就職したらブラックだったという経験の持ち主が5割を超えるということは、日本企業の半分以上がブラック企業ということになってしまう。就活は、希望に満ちたポジティブな活動のはずが、今は悪質な企業に騙されない戦いに転じてしまっている。誰のせいかは知らないが、なんとも世知辛く情けない世の中になってしまった。


