世界経済フォーラム年次総会2日目のダボスは快晴だった。メディア・センターがある建物からメーン会場へと向かうカートの中で、同乗した他国の参加者と「気持ちのいい天気ですね」と言葉を交わす。今年のダボスは暖かく、過ごしやすいと感じる。天候に悩まされずにすむのはありがたいが、「この穏やかさの裏には気候変動の影響があるのでは」との思いも頭をよぎる。
この日、ダボスの表舞台には欧州委員会委員長のウルズラ・フォン・デア・ライエンやフランスのエマニュエル・マクロン大統領、マイクロソフトのサティア・ナデラ会長兼CEOなど、政界やビジネス界の巨頭らが次々と登壇した。日本からも、赤澤亮正経済産業大臣や片山さつき財務大臣、NECの森田隆之取締役代表執行役社長兼CEOなどがパネリストとして登壇。日本経済の活性化やさらなる成長に向けて議論を交わした。政治とビジネスが交錯する、濃密な1日の幕開けである。

注目のスピーチが終わるたび、メディア・センター前のラウンジスペースは熱を帯びる。各国のテレビ局が一斉にカメラをセットし、キャスターやリポーターが要人の言葉を世界に配信する。地政学的な緊張が高まるなか、欧州の対応を概説したライエン欧州委員会委員長の演説直後は欧州メディアから「ライエン」「タリフ(関税)」「トランプ」という単語が幾重にも響いた。各国のメディアの人々の動きを観察していると、その国や地域が今、どの話題に関心を寄せているかがよくわかる。
テーマ別の対話や議論が本格化するのも今日からだ。2026年、ビジネスや経済成長を語る上で最重要テーマのひとつはやはりAIである。開催2日目だけでも、AIやAGIという言葉をタイトルに含むセッションが7つ実施された。
朝一番に行われたセッション「Scaling AI: Now Comes the Hard Part」(AIのスケーリング:ここからが本番)は、8時15分スタートにもかかわらず事前予約ですぐに満席となった。AIに対する参加者の注目度の高さがうかがえる。




