経済

2026.01.23 13:00

トランプのグリーンランド戦略が浮き彫りにする、北極圏の覇権争いの新局面

氷に覆われた海を進む大型貨物船(Shutterstock.com)

なぜトランプはグリーンランドを欲するのか?

以上を踏まえると、なぜトランプがそれほどまでにグリーンランドを──ノーベル平和賞を授与されなかったことへの腹いせ以外で──欲するのか、不思議に思われるかもしれない。

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トランプ自身は米国の安全保障のためだと主張するが、前述したように、米軍はすでに1951年に米国とデンマークが締結した防衛協定に基づき、グリーンランドへの広範なアクセス権を有している。

さらにグリーンランドは米国が加盟するNATOの保護下にある。ロシアや中国が攻撃を試みれば、北大西洋条約第5条が発動され、NATO軍が出動する。

最近の報道によれば、トランプを熱烈に支持する富豪の中には、グリーンランドを軍事拠点や鉱業資源の宝庫としてではなく「まっさらの状態」とみなす視点がある。ロイター通信によると、ピーター・ティールやマーク・アンドリーセンら有力なテック投資家は、グリーンランドに規制のない経済特区、いわゆる「フリーダムシティ(自由都市)」をつくる構想を提案している。規制緩和された準自治的な次世代テクノロジーのハブ(開発・成長支援拠点)を構築しようというのだ。

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もう一つの解釈は、トランプが打ち出した新モンロー主義だ。ホワイトハウスはこれを「モンロー主義のトランプ補論(Trump Corollar)」や、「ドンロー主義」(トランプの名前とモンロー主義を掛けた造語)と呼んでいる。その趣旨は、トランプが昨年12月2日に「国家安全保障戦略」の公表に先立って発表した声明で宣言したように、西半球において「外国勢力やグローバル主義を掲げる機関ではなく、米国民こそが常に自らの運命をコントロールする」ことである。

デンマークが東半球に位置している事実を、ここで特筆しておくべきだろう。

デンマーク自治領グリーンランドの首都ヌークの港。2026年1月13日撮影(Lokman Vural Elibol/Anadolu via Getty Images)
デンマーク自治領グリーンランドの港。2026年1月13日撮影(Lokman Vural Elibol/Anadolu via Getty Images)

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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