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2026.01.26 09:00

ニューヨーク証券取引所、「トークン化証券」基盤を発表──ウォール街を直撃するブロックチェーン

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「規制の明確化」と「ステーブルコイン」が、伝統的金融と暗号資産の合流を可能にした

この合流を可能にした力は2つある。「規制の明確化」と「ステーブルコイン」だ。

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GENIUS法(ステーブルコインに関する初の包括的な連邦規制法)は、2025年6月に上院で68対30で可決され、7月18日に署名・成立した。SEC(米国証券取引委員会)が12月に出したDTC(証券保管振替機関)向けのノーアクションレター(法的措置を取らないことを約束する書簡)により、株式、ETF、債券のトークン化に関する3年間のパイロットプログラムが創設された。これらの規制上のシグナルがなければ、NYSEはこの発表を行えなかっただろう。

NYSEのプラットフォームは「ステーブルコインによる資金調達」を採用

しかし真に注目すべきはステーブルコインだ。NYSEのプラットフォームは「ステーブルコインによる資金調達」を採用する。つまり、ドルそのものがブロックチェーン基盤に移行しつつあるのだ。BNYとシティは、従来の銀行営業時間外の証拠金義務や資金要件に対応するため、ICE傘下の清算機関全体でトークン化預金をサポートする。バーンスタインは、ステーブルコインの供給量が2026年末までに4200億ドル(約65.1兆円)に達すると予測している。

ICEの戦略イニシアチブ担当バイスプレジデント、マイケル・ブラウグランドはこう述べている。「トークン化証券のサポートは、グローバル金融の新時代における取引、決済、カストディ(資産保管)、資本形成のためのオンチェーン市場インフラを運営するというICEの戦略において、極めて重要な1歩です」。

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米国最大手の銀行が世界最大の取引所のためにトークン化預金システムを構築していることで、インフラ戦争は終結したと言える。暗号資産が勝利したのだ。

暗号資産ネイティブの企業側からの合流

この流れは一方通行ではない。伝統的金融が暗号資産のインフラを採用する一方で、暗号資産ネイティブの企業も上場し、従来型の規制に服するようになっている。

Circle(サークル)はGENIUS法成立とほぼ同時期に上場した。Securitizeは株式公開に向かっている。StreamXはNASDAQで取引されている。CMCC Global(シーエムシーシー・グローバル)のマネージングパートナー、アレックス・タプスコットによれば、2025年にはデジタル資産トレジャリー企業(暗号資産を主要な財務資産として保有する企業)が150社以上誕生した。

タプスコット氏は最近のインタビューでこう語っている。「デジタル資産トレジャリー企業は夏の間に150社以上が立ち上がり、数百億ドル(数兆円)を調達しました。ビットコインやイーサリアムだけでなく、ソラナなど多くの暗号資産へのアクセスを提供するためです」。

その結果、「暗号資産」と「伝統的金融」の区別がますます意味をなさなくなる共通基盤が生まれている。両者は同じインフラ上に構築されているのだ。

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翻訳=酒匂寛

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