WOMEN

2026.01.27 13:30

生成AI最前線で未来を拓く OpenAI宇都宮聖子のキャリア論

宇都宮聖子|OpenAI Japan ソリューションズエンジニア 

宇都宮聖子|OpenAI Japan ソリューションズエンジニア 

現在発売中のForbes JAPAN1月23日発売号の第三特集は、テクノロジー領域で世界を変える女性、ジェンダーマイノリティ30人に注目する「Women In Tech 30 2026」。『Forbes JAPAN』では2024年から同企画を開始し、26年は2回目となる。19人のアドバイザリーボードからの推薦をもとに選出した30 人に光を当て、女性、ジェンダーマイノリティたちのエンパワーメントとともに、同領域における次世代のロールモデルが見つかるような企画にしていくことを目標にしている企画だ。世界的に遅れていると言われるなか、転換期を迎えている日本で躍動し、その主役とも言える活躍をしている30人を紹介する。

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「自分の心に正直に、直感を信じてチャレンジしてほしい」。OpenAI Japanでソリューションズエンジニアを務める宇都宮聖子は、若い世代へのコメントを求められるとこう答えた。それはまさに宇都宮がたどってきた経歴とも重なる。2024年4月、OpenAIはアジア初の拠点として日本法人を設立。日本にオフィスが立ち上がったら参画したい──その思いを温め続けていた宇都宮は、同年7月に生成AIの震源地へ飛び込んだ。

22年、ChatGPTの登場に大きな衝撃を受けた。「シンプルなUIで、圧倒的なパワー。これは大変なことになると思いました。社会の構造も含め、技術が世の中を変革する。新しい歴史がつくられていくと感じたんです」。OpenAIの「人類全体の利益のために汎用人工知能(AGI)を創造する」という理念にも深く共感した。

日本市場でのChatGPTの成長は著しい。週次アクティブユーザー数は前年比4倍以上に拡大し、ビジネスユーザー数は米国に次ぐ世界第2位。宇都宮は企業や政府、大学などの顧客と向き合い、技術のデモンストレーションからチェンジマネジメントまで、組織変革を技術面から支援する。少人数のチームで日本の広いマーケットに向き合うからこそ、社内でもAIが徹底的に活用されているという。「毎日が変化の連続。こんなスピード感の会社で働いたことはありません」

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キャリアの軸には「技術を社会で役立てる」という信念がある。中学からプログラミングに親しみ、東京大学大学院で量子コンピューティング分野の博士号を取得。国立情報学研究所では准教授として内閣府ImPACTプロジェクトの研究開発責任者を務めた。その後、トヨタ自動車で自動運転開発、AWSジャパンでAI・量子コンピューティング技術と、常に最前線で領域を横断してきた。「研究のための研究ではなく、技術が世の中で使われることが大事。そのために自分が最も役に立てるかたちを、その時々で探しています」

生成AIの登場で、キャリアの可能性も広がるという。エンジニアリングの世界も、AIという強力なツールによって、これまでできなかったことに踏み出しやすくなった。では、そのタイミングをどう見定めるか。「戦略的に考えるというより、好奇心に忠実に動く」と宇都宮は笑う。「そして自分のキャリアを広げて、それを正解にしていく。気になることがあれば素直に挑戦してみる。見てくれている人、応援してくれる人は必ずいます。今だからこそできるチャレンジのタイミングをとらえてほしい」

文=加藤智朗 写真=若原瑞昌

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