テクノロジー

2026.01.24 10:00

エアバス、中国UBTechから人型ロボを購入──航空機製造プロセスへの統合を計画

UBTech「Walker S2」 (C)UBTech

UBTech「Walker S2」 (C)UBTech

ブルームバーグの報道によると、欧州の航空機メーカーのエアバスが中国企業UBTech(ユービーテック)のロボットを購入し、ヒューマノイドロボット(人型ロボット)を労働力として活用する取り組みに乗り出した。この欧州の航空機メーカーは、組立ラインにヒューマノイドロボットを投入することを検討しているようだ。今回の契約には、航空機製造プロセスへのロボット統合に向けてUBTechと共同で取り組む計画も含まれている。

エアバスが発注したのは、UBTechのWalker S2(ウォーカーS2)だ。身長176cm(5フィート9インチ)、体重70kg(154ポンド)のフルサイズヒューマノイドで、毎秒約2メートル(時速約4.5マイル)で歩く。器用な手を備え、自由度は11。触覚センサーも搭載する。片手で7.5kg(16.5ポンド)を持ち上げられ、各指でも1kg(2.2ポンド)を保持できる。

Walker S2は、稼働を止めずに自分でバッテリーを交換できる(ホットスワップ対応)。UBTechは2025年11月、Walker S2がそれを可能にした初のヒューマノイドロボットだと述べていた。生産現場で特に有用なのは、腰部をほぼ180度回転させられる点だ。このことで、足の位置を変えずに、部品を素早く移動させたり、別の箇所の作業に移ったりできる。

外部の非常停止ボタンと電源スイッチがあり、ロボットの背面に配置されている。

UBTech、すでに約1000台のヒューマノイドロボットを出荷済み

UBTechはすでに約1000台のヒューマノイドロボットを出荷している。世界の出荷台数ではAgibot(アジボット)とUnitree(ユニツリー)に次ぐ3位に位置し、Figure AI(フィギュアAI)、Agility Robotics(アジリティ・ロボティクス)、テスラ、Apptronik(アプトロニック)、ヒョンデ傘下のBoston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)といった西側のロボティクスメーカーを上回る。欧州勢として挙げられる、ベルリン拠点のNeura Robotics(ニューラ・ロボティクス)や、イタリア拠点で新たに資金調達したGenerative Bionics(ジェネレーティブ・バイオニクス)も上回っている。

生産能力の目標として2026年5000台、2027年1万台を掲げる

UBTechは、今年(2026年)の産業用ヒューマノイドロボットの生産能力を5000台、2027年には1万台に引き上げる目標を掲げている。2025年11月時点で、ヒューマノイドロボットをすでに1億1200万ドル(約177億円。1ドル=158円換算)相当販売したとも述べていた。報じられた生産数が正しければ、ヒューマノイド1台あたりの平均価格は11万2000ドル(約1800万円)になる計算だ。UBTechが今後数年で生産規模を拡大すれば、この価格は急速に下がるはずだ。

両社は、購入したロボットの台数や価格を含め、契約の詳細を公表していない。ほぼ確実に、これはデモンストレーションと試験目的の初期取引だろう。

筆者は、エアバスが欧州メーカーのヒューマノイドロボットも購入・試験しているのかどうかを同社に問い合わせた。回答が得られ次第お知らせする。

ヒューマノイドロボットの大量導入は、2028年に始まるとの推定

バンク・オブ・アメリカは、ヒューマノイドロボットの大量導入が始まるのは2028年だと推定している。人件費と製造能力に極めて大きな影響を与えるため、ヒューマノイドロボット開発は「私たちの時代の宇宙開発競争だ」と、数億ドル(数百億円)規模の資金を調達してきたApptronik(アプトロニック)のCEO、ジェフ・カルデナスは語っている。

もしそうだとすれば、中国は月への道程の半分まで来ており、他国は追い上げを迫られていることになる。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事