経営・戦略

2026.01.22 09:30

株価が低迷する任天堂、Nintendo Switch 2の「不確実性」に直面

Emanuele Cremaschi/Getty Images

Emanuele Cremaschi/Getty Images

Nintendo Switch 2(以下、Switch 2)は「史上最速で売れた」ゲーム機であるにもかかわらず、米国記事執筆現在、任天堂がそのゲーム機をめぐる不確実性によって株価の急落に直面しているというのは、一見すると奇妙に思えるかもしれない。

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Switch 2の初期販売が大ヒットしたことを受け、2025年8月に同社の株価は1万4795円という過去最高値に達したが、先日には9950円まで下落し、その下落率は32.7%に及んだ。また先日、任天堂の古川俊太郎社長は、コスト上昇を背景としたSwitch 2の利益率について次のように語った

「当社は中長期の事業計画に基づいてサプライヤーから調達を行っているが、現在のメモリー市場は非常に変動が激しい。業績への即時的な影響はないが、注意深く見ていく必要がある」

株価下落には、いくつかの要因が重なっているとみられる。

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まず、将来的にSwitch 2が値上げされる可能性があり、それが販売に影響を及ぼすかもしれない。任天堂は、PlayStationやXboxが旧型ハードを含めて大幅な値上げを行う中でも、Switch 2の450ドル(米国価格、日本における希望小売価格は4万9980円)という価格をこれまで据え置いてきた。一方で、初代Nintendo Switchについてはすでに値上げを実施している。300ドルだった初代機よりも150ドル高い価格で発売されたSwitch 2についても、値上げは時間の問題かもしれない。ただし、初代機よりも高い発売価格だったにもかかわらず、発売初期の販売ペースが鈍ることはなかった。

もう1つの問題は、Switch 2向けに「その世代を象徴する決定打となるタイトル」がまだ登場していないという見方である。これは、Switch 2が『マリオカート ワールド』と同時に発売されたことを考えると、やや奇妙でもある。マリオカートは、マリオやゼルダの新作以上に、初代機の世代で最も売れたシリーズだからだ。それでも、多くの人が本当に求めているのは、新たなマリオ作品やゼルダ作品なのだろう。今年は『ドンキーコング バナンザ』がゲーム・オブ・ザ・イヤー候補作品となったが、話題性の高い他の作品に埋もれ、ほとんど注目されなかった。

私は、任天堂についてそれほど心配する必要はないと考えている。同社は現在、他の家庭用ゲーム機メーカーよりも有利な立場にあり、Switch 2はいまだに大ヒット商品である。一方で、他社の現行機は販売が急減しており、Xboxはもはや競争相手としてほとんど存在感がない。部品コストの上昇に直面しているのは任天堂だけではないし、同社はこれまで何とか踏みとどまってきた。

将来的にSwitch 2の価格が例えば500ドルに引き上げられる可能性は十分にあり得るし、ゲーム機の製造に必要なメモリーがAIインフラによってどんどん消費されていく状況も、残念ながら当分終わりそうにない。それでもなお、任天堂の基盤は依然として強固であると言えるだろう。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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