欧州

2026.01.22 08:30

EU、「対米貿易協定」凍結──トランプによるグリーンランド掌握の脅威に対応

Jakub Porzycki/NurPhoto via Getty Images

2025年7月にEUと米国で承認された、関税率引き下げ合意の行方

EUは以前、米国による関税率引き下げを交渉で勝ち取り、同時にEU側も一部の米国製品に対する関税を引き下げていた。この合意は2025年7月、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が、スコットランドにあるトランプが所有するゴルフ場で承認したものだ。EUは、大半の製品について15%の関税率で合意したほか、航空機部品や半導体製造装置といった戦略的製品については「相互ゼロ関税」を実現していた。

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ブルームバーグによれば、トランプがグリーンランドを巡って関税の脅しをかけた直後から、EUの立法者たちはこの合意の停止を議論し始めていたという。

20日にダボス会議で発言したフォン・デア・ライエンは、米国が新たに課した関税を「誤り」だと呼び、「EUと米国は昨年7月に通商合意に達している。政治でもビジネスでも、合意は合意である。友人同士が握手を交わすなら、それには意味がなければならない」と述べた。フォン・デア・ライエンは21日にも欧州議会で演説し、EUは「岐路」に立っているとした上で、「必要であれば、結束、緊急性、決意をもって行動する準備は完全に整っている」と強調した。

トランプ、ダボス会議でグリーンランド取得への野心を語る

この協定凍結は、トランプがダボス会議で演説していた最中に発表された。トランプは演説の相当部分を欧州に関する見解と、グリーンランド取得への野心に割き、同地域を「冷たく、立地条件も良くない氷の塊だが、世界平和と世界の防衛において重要な役割を果たし得る」と表現した。トランプは、デンマークの自治領であるグリーンランドについて、「即時の交渉」を再び求めたが、先日米国当局者との会談を終えたデンマークとグリーンランドは、この提案を受け入れなかった。トランプは、第二次世界大戦中に米国がグリーンランドを防衛した後、同地域をデンマークの管理下に戻したことを嘆いた一方で、軍事占領はしないとも示唆した。

「私は武力を使う必要はない」とトランプは語った。「使いたくもないし、使うつもりもない」

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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