ドナルド・トランプ大統領の2期目就任から丸1年を迎えた米国で、投資可能な流動資産を100万ドル(約1億5800万円)以上保有する富裕層(ミリオネア)の3分の1が、国外へ移住する可能性が高くなったと考えていることが明らかになった。主な理由として、外交政策への懸念、経済面での不安、生活の質を挙げている。
カナダの投資移住コンサルティング会社アートン・キャピタルが米国在住のミリオネア1000人を対象に行った調査によると、トランプが2期目当選を果たす前と現在とを比較して、他国に移住する可能性が高まったと答えた人は33%に上った。
このうち民主党支持層のほうが米国を離れる選択肢により強く引かれており、2024年米大統領選でカマラ・ハリスに投票した人の半数以上(52%)が移住に関心があると回答したのに対し、トランプに投票した人では15%だった。
他国への移住を検討したことがあると答えた人のうち、84%が米外交政策を懸念材料として挙げ、74%が米国経済の先行きを心配していると答えた。また、65%が米国以外のほうが経済・生活の質の面でより良い機会があると回答した。
希望する移住先としては、カナダが最も多い回答だった。次点は英国で、アイルランド、ニュージーランド、オーストラリアと続いた。
トランプの再選以降、母国脱出を検討する米国人が急増している現象は、第1次トランプ政権下でも見られた傾向の繰り返しだ。米調査会社ギャラップの2019年の報告によれば、2017年と2018年に国外へ移住したいと答えた米国人の数はジョージ・W・ブッシュ政権下やバラク・オバマ政権下の平均水準を上回っていた。
2025年11月の米国心理学会(APA)による調査では、米若年層(18~34歳)の63%が「国の現状」を理由に移住を検討したことがあると判明した。この数字は2024年の41%から急増している。また、米公共ラジオNPRの報道によると、2025年1~2月にアイルランドのパスポート(旅券)を申請した米国人は前年同期比60%増加。英国でも2025年1~3月に米国人による市民権申請数が過去最多を記録した。



