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2026.01.26 08:15

けっこう怖い「猫ひっかき病」とは。検査キット開発のクラファンがスタート

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ネコと暮らしていて、原因不明の体調不良に悩んでいる人は「猫ひっかき病」かもしれない。しかし、検査できる医療機関が少ないため「原因不明」のまま放置されることが多い。免疫力が下がっている人は重篤化する恐れもある。そこで山口大学は、医療現場ですぐに診断できる「迅速検査キット」の開発プロジェクトを立ち上げ、資金調達のためのクラウドファンディングを開始した。

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「猫ひっかき病」は、バルトネラ・ヘンセレという細菌の感染によって引き起こされる。これに感染したネコ自身にはなんの症状も現れないが、そのネコにひっかかれたり、噛まれたり、またそのネコについているノミに刺されたりして感染すると、傷口に発疹ができ、リンパ節が腫れ、やがて全身の倦怠感、胸のむかつき、発熱、嘔吐、頭痛、食欲不振といった症状が現れて長く続く。

通常は、治療をしなくても6〜12週間で自然治癒するが、抗生剤の投与で治癒を早めることが可能だ。ところが、その検査が行える医療機関は限られている。事実、日本感染症学会・日本臨床微生物学会公認の先進的感染症検査施設のうち、現在「猫ひっかき病」検査が可能な施設は山口大学大学院医学系研究科病態検査学講座だけだ。

一般の医療機関はそこへ検体を送って調べてもらうか、海外の検査機関に依頼することになる。しかも検査には長い時間がかかるため、診断がつくのが発症してからずいぶん経ってからになってしまう。そこで「迅速検査キット」に大きな期待がかかる。それが完成すれば、インフルエンザや新型コロナの検査キットのように、近くの医療機関で検査ができるようになるのだ。

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病態検査学講座、常岡英弘特命教授
病態検査学講座、常岡英弘特命教授

プロジェクトは、まずバルトネラ・ヘンセレだけがもつ特徴(抗原)を特定し、その複製を作り、患者の体の反応物質(抗体)としっかり結びつくかを確認する。そしてそれをもとに、血液を1滴たらすだけで感染の有無がわかるキットを作るという運びになる。「猫ひっかき病」には、ネコ用も人用もワクチンがないが、この研究は、ワクチン開発の「重要な第一歩」にもなるということだ。

クラウドファンディングはREADYFORで実施されている。

「猫ひっかき病」に関する詳細はこちらをどうぞ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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