先週OpenAIは、生成AIサービス「ChatGPT」内で広告のテストを今後数週間のうちに開始すると発表した。対象は米国の成人(18歳以上)ユーザーで、無料版利用者、または同社の新プランとして登場した、月額8ドル(約1264円。1ドル=158円換算)の「ChatGPT Go」利用者となる。ChatGPT Plus(月額20ドル[約3160円])、ChatGPT Pro(月額200ドル[約3万円])、ChatGPT Business、ChatGPT Enterpriseの各有料プランは引き続き広告なしとなる。
広告が表示されるプラン
・無料版
・ChatGPT Go:月額8ドル(約1264円)
広告が表示されないプラン
・ChatGPT Plus:月額20ドル(約3160円)
・ChatGPT Pro:月額200ドル(約3万円)
・ChatGPT Business:月額30ドル(約4740円)
・ChatGPT Enterprise
これは生成AIにとって転換点になり得る。OpenAIが、会話型チャットボットに広告を直接組み込む主要AI企業の1社となるからだ。同時に、財務面の圧力が高まっていることも示している。2025年までに年換算で推定200億ドル(約3.2兆円)超の売上高に達したと報じられる一方で、AIインフラの野心的な構想を支えるため、現金流出が続いている。
OpenAIに決断を迫る経済事情
FortuneとThe Informationが確認した財務文書によれば、OpenAIは2026年までに損失が約140億ドル(約2.2兆円)に達すると見込んでいる。売上高に対する現金流出の割合は、2027年まで約57%の水準にとどまるという。同社は2029年までに累計で1150億ドル(約18.2兆円)の資金が流出し、その後、2029年または2030年にキャッシュフローがプラスへ転じる可能性があるとみている。
計算インフラ支出が、今後8年で最大約221兆円に達する計画
こうした数字を押し上げているのは、AIモデルの学習と運用に必要な計算インフラである。OpenAIは、今後8年間で最大1.4兆ドル(約221.2兆円)に上り得るAIインフラ支出計画を示しており、クラウド企業や半導体大手と提携して、同社の技術を支えるデータセンターを建設するとしている。
ChatGPTの推定週次アクティブユーザー8億人のうち、サブスクリプションに料金を支払っているのはごく一部にすぎない。ユーザーの約90%が無料プランという状況では、広告は適切に実行できれば同社にとって大きな収益源になり得る。
広告は回答の下部に表示され、通常の回答とは明確に区別される仕組み
同社の説明によれば、従来のバナー広告やポップアップとは異なり、広告はChatGPTの回答の下部に表示され、広告であることを示す表示が付き、通常の回答とは区切られる。
「まずは、現在の会話に基づき、関連するスポンサー付きの製品やサービスがある場合に、ChatGPTの回答の下部で広告表示をテストする予定です」と同社は発表で述べた。
同社はさらに、「なぜその広告が表示されているのかを確認したり、広告を閉じて理由を伝えたりできます」と付け加えた。「テスト期間中は、ユーザーが18歳未満だと申告した場合、または当社が18歳未満だと予測したアカウントには広告を表示しません。また、健康、メンタルヘルス、政治といったセンシティブまたは規制対象のトピックの近くには広告は表示されません」。



