競合とは異なる力学の中で、ユーザーが広告を受け入れることに賭けるOpenAI
競合のAnthropicは広告計画を発表していない。一方、グーグルのGeminiやマイクロソフトのCopilotは、親会社が既存の広告事業を持つという点で競争の力学が異なる。
「広告が不自然だったり、あからさまに商業的に感じられたりすれば、ユーザーは簡単に競合チャットボットへ乗り換えます」と、eMarketerのアナリストであるジェレミー・ゴールドマンはロイターへのコメントで指摘した。ただし同氏は、OpenAIの決定が競合他社に対し、「とりわけ『広告なしを設計思想にする』と位置づける企業に、自社の収益化の考え方を明確にする圧力を与える」可能性があるとも付け加えた。
ChatGPTは広告主にとって、潜在的に魅力的な場になり得る。旅行や買い物、問題解決などについて質問している最中のように、ユーザーが調べ、意思決定している場面でリーチできる点は、従来のディスプレイ広告より価値が高い可能性がある。
ただし、それはシステムコストが下がり、かつユーザーが広告を受け入れて競合へ流出しないことが前提だ。OpenAIは、多くの無料ユーザーが、月額8〜20ドル(約1264円〜約3160円)を支払って広告なしにするよりも、時折表示される広告を受け入れると見込んでいる。
同社によれば、広告テストは「今後数週間のうちに」開始される。対象は米国でログインしている成人ユーザーのうち、無料版とChatGPT Goプランの利用者である。OpenAIはまた、フィードバックを収集して体験を改善したうえで、世界展開や新たな広告フォーマットの導入を検討する可能性があるとも述べた。
将来的には、製品について直接追加質問できる対話型広告の可能性も示唆
同社は将来、よりインタラクティブな広告の可能性も示唆した。静的な推奨にとどまらず、ユーザーが会話の中で広告製品について直接追加質問できるようになり、広告がAIとの対話の延長になるかもしれないという。
「将来的には、広告を目にして、購入判断に必要な質問を直接できるようになるかもしれません」と同社は述べた。
損失が膨らみ、競争が激化する中、同社にミスをする余裕はほとんどない。そして最終的に問われるのは、OpenAIが方針転換に成功し、「有用なAIと広告は共存できる」というアイデアをユーザーに納得させられるかどうかだろう。


