欧州首脳は、米国の関税に対抗する手段として、EUの反威圧措置規則(ACI)を発動する可能性を提起している。ACIは「貿易バズーカ」とも呼ばれ、EUが経済的威圧と見なす行為に対し、関税や市場アクセス制限などの対抗措置を講じることを可能にする。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、これまで一度も使われたことのないこの手段について、検討を余儀なくされていること自体が「狂気だ」と述べた。ユーロニュースはACIを「核オプション」と表現している。
フランス極右政党である国民連合のジョルダン・バルデラ党首も、ACIは発動されるべきだと主張し、「これはエスカレーションではない。これはわれわれの信頼性、自由、主権の問題だ。欧州各国の利益を守り、その声を示すことができなければ、EUは再び制度的なまひを露呈することになる」と述べた。
グリーンランド紙セルミツィアクが報じたところによれば、グリーンランド自治政府の財務・税務相であり、元首相でもあるムーテ・B・エゲデは20日の記者会見で、米国からのさらなる圧力に備えていると述べたという。緊張の高まりが軍事行動を必要とする事態につながる可能性は低いとしながらも、「その事態に備えなければならない」と語った。
ニールセンもトランプによるグリーンランド掌握の動きに強く反発しており、19日にはグリーンランドは圧力に屈しないと述べた。また、20日にはエゲデと並んで発言し、トランプの発言がもたらす感情的、精神的な負担について触れ、「社会のすべての人が影響を受けている」と記者団に語った。
ガーディアン紙によると、スコット・ベッセント米財務長官は、欧州首脳に対し報復を控えるよう促し、「すべての人に求めたいのは、一歩引いて深呼吸し、成り行きを見守ることだ。各国が米国に対して事態をエスカレートさせることほど悪い選択はない」と述べた。
カリフォルニア州のニューサム知事は、世界の指導者が大統領に「ひれ伏している」と批判し、「世界の指導者全員のためにひざ当てを大量に持ってくるべきだった。王冠やノーベル賞を配っているようなものだ。本当に情けない。世界の舞台で自分たちがどれほど情けなく見えているかを理解してほしい」と語った。
世界の指導者は今週、世界経済フォーラムの年次総会であるダボス会議に出席するためにスイスに集結している。この会合は、政治指導者と企業幹部が世界経済や地政学的な課題を議論する場だ。
今年のフォーラムは、グリーンランドをめぐる緊張が高まる中で特に重要視されている。関税の脅しや軍事行動の可能性が議論の影を落とす一方で、このタイミングでのダボス会議の開催は、各国の当局者がこの紛争について協議するための、稀有でハイレベルな議論の場を提供している。


