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2026.01.21 09:30

金と銀が「過去最高値」更新、グリーンランドをめぐる米欧の緊張が要因

Sven Hoppe/picture alliance via Getty Images

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金と銀の価格が、米国時間1月20日早朝に過去最高値を更新した。これら貴金属価格は歴史的な上昇局面にあり、複数のアナリストは、今週の急騰はドナルド・トランプ大統領によるグリーンランド掌握の構想と、それに伴う欧州との摩擦、欧州首脳との緊張が高まっていることが背景にあると指摘している。

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銀価格は米東部時間20日午前10時の時点で約7%高の94.57ドルの値をつけた。ただし、同日早朝に記録した史上最高値である95.78ドルからはやや下落している。

金価格は同じく午前10時時点で4742.60ドルとなり、約3%高となったものの、こちらも同日朝に付けた高値である4756.60ドルからはわずかに下げている。

金と銀の価格は過去1年間で急上昇してきた。国際情勢の不確実性が安全資産への需要を押し上げており、とりわけ今週は、グリーンランドをめぐるトランプの発言が米国と欧州首脳の間に緊張を生み、こうした動きを強めている。

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サクソバンクのストラテジストであるオーレ・ハンセンは顧客向けノートの中で、「グリーンランドをめぐる一連の出来事は、過去数カ月にわたって形成されてきた上昇相場に新たな燃料を注いだ。金融資産のみに依存する投資家にとって、マクロ経済および地政学的な環境はますます居心地の悪いものになっている」と述べている。

UBSのアナリストであるジョバンニ・スタウノボは20日朝、ロイターに対し、グリーンランド掌握に反対する欧州諸国に関税を課すというトランプの脅しが、貴金属価格上昇の主因だと語った。

金と銀の価格を上昇させている背景

地政学的な緊張は通常、安全資産とみなされる金と銀への需要を高める。トランプは長年、米国がグリーンランドを掌握することに意欲を示してきたが、ここ数週間でその要求を強め、欧州首脳の反発を招いている。デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は1月初めの電話会談で、グリーンランドは「売り物ではない」とトランプに伝えた。さらに、英国、ドイツ、フランスを含む欧州各国の首脳はグリーンランドへの支持を表明している。

こうした反対を受け、トランプは欧州8カ国に対し「米国に送られるすべての製品」に影響する10%の関税を課すと脅した。トランプによれば、これらの関税は2月1日に発効し、6月1日には25%に引き上げられるという。トランプは19日に放映されたNBCニュースのインタビューで、武力を用いてグリーンランドを掌握する可能性について問われたが、「コメントしない」と述べるにとどまった。グリーンランドをめぐるトランプの動きは、金と銀の価格を押し上げた最新の国際的な出来事であり、これに先立ち、ベネズエラ指導者のニコラス・マドゥロの拘束、イランでのデモ活動、中国による金属輸出規制などがあった。

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翻訳=江津拓哉

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