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2026.01.22 11:00

ベネズエラの石油埋蔵量「世界一」が意味するもの

国営ベネズエラ石油(PDVSA)に設置された石油掘削装置を握る手の彫像。2026年1月5日撮影(Javier Campos/picture alliance via Getty Images)

国営ベネズエラ石油(PDVSA)に設置された石油掘削装置を握る手の彫像。2026年1月5日撮影(Javier Campos/picture alliance via Getty Images)

ベネズエラは地球上で最大の石油埋蔵量を誇る国と言われている。同国は公式に3000億バレル以上の確認埋蔵量を報告しており、サウジアラビアを上回っている。多くの読者にとって、この数字は政変によって解放されるのを待つだけの莫大な未開拓の富を暗示している。

だが、ベネズエラは新たな油田発見の波によって埋蔵量が世界一となったわけではない。同国が頂点に立った理由は、原油価格や埋蔵量定義の変化、西側諸国の技術、政治的動機による再分類の結果だ。国営ベネズエラ石油(PDVSA)が公表する埋蔵量の数値がどのように算出されたのか、そしてそれが実際に何を意味するのかを理解するには、同国の原油の性質と「確認埋蔵量」という用語に内在する前提条件を詳しく検証する必要がある。

膨大な量の石油が眠るオリノコ油田地帯

ベネズエラの埋蔵量主張の根拠は、超重質原油とアスファルト状の炭化水素を含む広大なオリノコ油田地帯にある。同油田に眠る石油は間違いなく本物であり、その規模は膨大だ。米地質調査所(USGS)の推定では、埋蔵量は1兆バレルを超える。

しかし、この埋蔵量は、経済的に生産・輸送・精製・販売可能な石油の量と同一ではない。オリノコ産の原油は、サウジアラビアや米テキサス州などで産出される軽質で流動性の高い原油とは大きく異なり、実際にはカナダ産のオイルサンドに近い。オリノコ原油は、採掘または熱分解法で生産された後、合成原油に精製されて初めて国際市場に流通することができる。これにより、生産は資本集約的で技術的に複雑になり、原油価格の影響を強く受けることになる。

過去数十年にわたり、オリノコ原油の大部分は埋蔵量ではなく資源量として分類されていた。つまり、存在は確認されているものの、採算が取れないと見なされていた炭化水素だ。

ベネズエラの20年前の石油埋蔵量

ベネズエラの確認石油埋蔵量は2000年代初頭、国際基準でははるかに控えめな水準だった。2005年頃の公式推計では、同国の石油埋蔵量は約770億~800億バレルで、サウジアラビアをはじめとする主要産油国を大きく下回っていた。参考までに、800億バレルの埋蔵量は現在、世界8位に相当する。

石油輸出国機構(OPEC)の指針や米証券取引委員会(SEC)の報告規則によれば、石油1バレルが確認埋蔵量として認定されるのは、現行の原油価格で既存の技術を用いて生産した際、採算が取れる場合に限られる。この定義は地質学的というより経済的な基準であり、その後の展開の核心を成すこととなった。

当時の原油価格は1バレル25ドル前後だった。この水準では、オリノコ原油の生産と精製にかかる費用が出荷品の価格を上回っていた。石油は物理的に存在していたが、経済的には行き場がなかったのだ。

原油価格の上昇でベネズエラの石油埋蔵量が急増

その後、原油価格が急騰したことで状況は一変した。2008年までに、原油価格は1バレル140ドルに迫っていた。原油価格が上昇するにつれ、かつては経済的合理性がないとみられていたプロジェクトが、少なくとも帳簿上では突如として採算が取れるようになっていった。

原油価格の上昇と採掘技術の向上により、PDVSAは現行の埋蔵量定義に基づき、オリノコ油田の大部分を「資源量」から「確認埋蔵量」へ再分類することができた。このプロセスは、当時のウゴ・チャベス政権下で開始された「マグナレセルバ計画」と呼ばれる政府主導の取り組みを通じて正式に確立され、オリノコ油田地帯全域で埋蔵資源の認証が行われた。

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翻訳・編集=安藤清香

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