サイエンス

2026.01.23 18:00

深海生物から裏庭の生きものまで、「青い血」を持つ動物5選

色鮮やかなタコの仲間(Shutterstock.com)

1. クモ

ルブロンオオツチグモ(Shutterstock.com)
ルブロンオオツチグモ(Shutterstock.com)

クモの生理機能には、文字通りクールなところがある。家の裏庭によくいるコガネグモ科のクモから、堂々たるタランチュラまで、たいていのクモの体には、ヘモシアニンに起因する青い色を持つ血(けつ)リンパが流れている。彼らには、脊椎動物で言うところの「血液」は存在しないが、血液が担っているのと同じ役割の多くを、この血リンパが果たしている。

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・酸素の運搬
・栄養素の運搬
・老廃物の排出

南米に生息する地球最大級のクモ、ルブロンオオツチグモ(学名:Theraphosa blondi)のようなクモでは、この青い液体は開放循環系を流れている。酸素の豊富な温かい環境だったら、ヘモシアニンによる酸素の結合はあまり効率的なシステムではないだろう。だが、クモの体腔という比較的安定した低酸素条件には完璧に適している。

現在、血リンパの分析は、生理的状態の評価に欠かせない手法になっている。『Journal of Zoo and Wildlife Medicine』で発表された2007年の比較研究では、野生で捕獲されたものと飼育下のルブロンオオツチグモの集団について、血リンパマーカーを用いて、水分状態や生理的ストレス反応を測定している。

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興味深いことに、多くのクモがヘモシアニンを酸素運搬に使っている一方で、主に免疫反応や代謝プロセスにヘモシアニンを利用している種もいくつか知られている。

2. タコ

タコは、海生動物の中でもひときわ謎めいていて、知能も高い。ヘモシアニンを豊富に含む青い血は、この頭足類をこれほど魅惑的な存在にしている要素の1つにすぎないが、その血のおかげで、タコは酸素の乏しい冷たい水の中で繁栄できる。

深海では、酸素は乏しく、貴重な資源だ。ヘモシアニンがタコにとって重要な利点になる理由はそこにある。海水温は、酸素と呼吸色素との結合に大きな影響を及ぼす。具体的に言えば、低温条件では、銅を用いるヘモシアニンの方が、鉄を用いるヘモグロビンよりも効果的に酸素をつかまえられる。そのためヘモシアニンは、深海や極域の海での生存にはうってつけだ。

タコの循環系は、1つの驚異だ。タコには、中央の心臓のほかに2つのエラ心臓があり、これがエラに青い血を送りこんでいる。この仕組みにより、大量の酸素を取りこんでから、それを通常の心臓が、体の各組織に届ける。この強力なシステムが、タコの敏捷性、カモフラージュ能力、複雑な認知能力を支えている。

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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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