サイエンス

2026.01.25 17:00

「脳は人生で4回大きく変化」する 脳の成長と健康のために知っておくべきこと

Shutterstock.com

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脳の健康がいかに重要であるかはよく知られているが、新たな研究によると、脳が生涯を通じてこれまで私たちが気づいていなかった形で発達することが明らかになった。脳がどのように働くかを理解すれば、私たち自身の継続的な成長を新たな観点から考えられる。結論から言うと、主な対応策は二つである。強く継続的なつながりを築くことと、新しい挑戦や学びを求めることだ。

いま、脳の発達と健康は極めて重要だ。手に負えないほどの負担感やメンタルヘルス上の課題が過去最高水準にある中、時間の経過とともに自分の発達をどう育み、どう養うかを考える必要がある。脳の配線のされ方は、記憶や言語から注意、意思決定、行動に至るまで、あらゆる面を左右し得る。

脳の転換点

一般的に、脳は若い時期に成長・発達し、成人期に達すると安定し、その後は加齢とともにゆっくり衰えると考えられてきた。だが、Nature Communicationsに掲載された新しい研究では、生涯を通じて脳が自ら配線を組み替える重要なステップを初めて特定した。

ケンブリッジ大学の研究者は、0歳から90歳までの3802人を調査した。MRIの拡散スキャンを用い、脳組織内を水分子がどのように動くかを追跡して神経のつながりを可視化し、地図化した。その結果、生涯の中でおよそ4つの主要な転換点があることがわかった。

0〜9歳

乳児の脳では、シナプス(ニューロン同士の結びつき)が過剰につくられる。発達初期には、どのシナプスがより活発に使われているかに基づいて、シナプスを選び、不要なものを刈り込む。加えて、灰白質(神経細胞が集まった部分)と白質(神経線維が束になった部分)の容積も増加する。

灰白質は、知覚、思考、感情、意思決定、記憶などに関わることで知られる。信号がつくられ、解釈され、統合される場である。白質は、脳の領域間で信号を伝え、脳の各部をまたいだ効率的な連携と統合を可能にするものと理解されている。

9〜32歳

9歳で最初の転換点を迎え、この段階はおよそ32歳まで続く。この間、白質の体積は増え続け、その結果、脳内の連絡網はより洗練されていく。脳は、各領域の中での結びつきも、脳全体にまたがる情報伝達も、より効率よく行えるようになり、これが認知能力を押し上げる。

32〜66歳

およそ32歳から66歳にかけて、脳は知能とパーソナリティの両面で安定し、横ばいになる。この段階では、脳の各領域の役割分担がより明確になり、区画化が進む。

66〜82歳

およそ66歳から82歳にかけて、脳は徐々に再編成される。白質が変性し、神経のつながりが弱まることが背景にある。

83歳以降

最後の転換点は、およそ83歳で起こる。一般に、脳はより局所的な結びつきを重視する方向へ移り、脳全体にまたがる結びつきは弱くなる。

脳の安定化と発達

近年の脳科学は、脳の発達を安定化させる特定の分子も見いだしている。CCNIと呼ばれるタンパク質は、脳が安定化を必要とする際に、発達の働きを弱める。

Salk Institute(ソーク研究所)によるこの発見はNatureに掲載され、うつ病、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、けが、脳卒中、アルツハイマー病といったケースで、脳の発達をどのように刺激し得るかに示唆を与える。もちろん、脳が時間とともに成長し、発達し、配線されていく仕組みとも関係している。

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翻訳=酒匂寛

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