ここ数カ月間、ビットコインと金の動きは対照的で、金が急騰する一方で、ビットコイン価格は急落している。
ビットコイン価格は一夜にして急落し、約9万6000ドルの値をつけた後わずか数分のうちに9万ドル強まで下落した。それとは対照的に、金は新たな史上最高値を更新した。ドナルド・トランプ大統領が、デンマークがグリーンランドを巡る取引に同意しない場合、北大西洋条約機構(NATO)同盟国8カ国に対する関税をさらに強化すると脅したことを受けたものだ。
そんな中、暗号資産のトレーダーたちは今週発表されるインフレ指標が従来の予想を上回る水準になることを警戒しており、「前例のないスタグフレーション」を引き起こすとの警告もある。
バークレイズとモルガン・スタンレーのエコノミストは、12月の米個人消費支出(PCE)物価指数の予想を2.8%~2.9%に引き上げた。また、BNPパリバのアンディ・シュナイダーは、ロイターが確認したメモの中で、PCE物価指数は先日発表された消費者物価指数(CPI)の2.7%を「大幅に」上回るだろうと記している。
米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する最新のPCE物価指数は米国時間1月22日に公表される予定だ。その結果によっては、景気低迷と物価上昇が同時に進む、いわゆるスタグフレーションへの懸念が再燃する可能性がある。
「今後起こる米ドルの崩壊は、消費者物価を急騰させるだろう」。通常は米ドルに弱気で、暗号資産やビットコインに批判的な金投資家のピーター・シフは、Xにこう投稿した。「前例のないスタグフレーションに備えよ」。
最新のインフレ指標の発表を前に、米ドルは下落している。2025年に活発だった、投資家がドルを売って、ビットコイン、金、銀、銅といった希少資産や株式に資金を振り向ける、いわゆる「ディベースメント取引」が再び活発化しているためだ。
「グリーンランドを巡り、トランプ大統領が貿易相手国やNATO同盟国に新たな関税の脅しをかけたことで、米ドルは売られた」。トレード・ネーションのシニア市場アナリストであるデビッド・モリソンは、Eメールでのコメントでこう述べた。「米ドル指数は急落し、99.00を再び下回って取引された。先週末には6週間ぶりの高値を付けていた」。
米ドルの下落を受け、金と銀はいずれも過去最高値を更新した。BNPパリバでコモディティ戦略部門のディレクターを務めるデビッド・ウィルソンは、ブルームバーグに対し、1オンスあたり5000ドルという金価格は「少し前までは大きな目標に見えた」が、現在では射程圏内に入っていると語った。
一方、暗号資産市場については、地政学的な不確実性がリスク選好を圧迫しているとして、ビットコイン価格の弱含みが続くとの声がある。
「ここから先は、買い手が入らない限り、さらに下値を試す可能性が高い。下値支持線は8万8000ドル付近だ」。デジタル資産アナリストで、コイン・ビューローの共同創業者でもあるニック・パックリンは、Eメールでのコメントでこう述べ、「グリーンランドを巡る不透明感と不安は、好転する前にさらに悪化する可能性が高い」と付け加えた。



