欧州

2026.01.20 08:30

デンマークがダボス会議を欠席、グリーンランドを巡る米国との対立激化で

Kristian Tuxen Ladegaard Berg/NurPhoto via Getty Images

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米国時間1月19日から開催する世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)について、同フォーラムの代表者はブルームバーグに対し、デンマーク政府当局者が同会議に出席しない意向であることを示した。背景には、グリーンランドを巡る米国との緊張の高まりがあるという。

世界経済フォーラムの関係者がブルームバーグに語ったところによると、デンマークは19日から開幕するダボス会議に参加しないという。

米国のドナルド・トランプ大統領は先日、グリーンランドに軍を派遣した欧州の8カ国に対し、10%の関税を課すと発表した。この関税は2月1日に発効し、6月には25%に引き上げられる予定で、「グリーンランドの購入」を巡る合意に達しない場合に実施されるという。

影響を受ける国には、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、英国、オランダ、フィンランドが含まれる。いずれも米国の北大西洋条約機構(NATO)同盟国である。

この8カ国は共同声明でデンマークとグリーンランドの人々への支持を改めて表明し、「関税の脅しは大西洋間の関係を損ない、危険な悪循環を招く恐れがある」と記した。

18日には、欧州連合(EU)の主要外交官らが緊急協議を行い、米国に対する報復関税について協議した。ただし、ニューヨーク・タイムズは19日、EU各国はまず、米国とのさらなる交渉を優先する方向に傾いていると報じた。

新たな米国の関税が2月1日に発効した場合、EUが報復関税の対象とする可能性のある米国製品は、金額にして1080億ドル(約17兆700億円)規模になると報じられている。

トランプは17日、新たな関税を発表したトゥルース・ソーシャルへの投稿の中で、「我々は長年にわたり、関税を課さないことでデンマークや欧州連合のすべての国々、そしてその他の国々を補助してきた(中略)数世紀を経て、今やデンマークがそれに応える番だ」と述べた。「これは地球の安全、安心、そして存続にとって極めて危険な状況だ」。

1月初めにベネズエラでニコラス・マドゥロを拘束したトランプ政権は、米国には「国家安全保障」のためにグリーンランドが必要だとして、グリーンランドを米国が取得すべきだとの公の主張を再燃させた。この構想は、トランプが第1期政権時代から主張してきたものである。

これを受け、デンマークを含むEU7カ国の首脳は1月6日、「グリーンランドは現地の人々のものだ」とする声明を発表した。先日には、今回の関税措置の対象となった欧州各国はデンマークへの支持を示すため、小規模な部隊または連絡将校をグリーンランドに派遣した。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は17日の声明で、「いかなる威圧や脅しも(フランスに)影響を与えることはない」と述べた。英国のキア・スターマー首相も、「ともに集団的安全保障を追求するNATO同盟国に関税を課すことは、完全に間違っている」との意見を示している。

ダボス会議開幕前夜の18日夜、トランプは再びデンマークを批判し、トゥルース・ソーシャルに次のように投稿した。「NATOは20年にわたり、デンマークに『ロシアの脅威をグリーンランドから排除しなければならない』と言い続けてきた。残念ながら、デンマークは何もできなかった。今こそ、その時であり、それは必ず果たされる!!!」。

forbers.com原文

翻訳=江津拓哉

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