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2026.01.20 09:30

中国の米国産大豆輸入、前代未聞の「5カ月連続ゼロ」 貿易戦争の影響深刻

Shutterstock.com

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米国産大豆の中国への輸出が2025年10月に過去20年超で初めてゼロになった。中国は米国産大豆の世界最大の市場であり、10月は伝統的に大豆の輸出が始まる月だ。

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しかも米国勢調査局の最新のデータによると、中国への大豆輸出ゼロは5カ月連続で、こうした事態は少なくとも過去30年で例がない。

これは深刻な事態だ。米国大豆輸出協会によると、米国の大豆農家は生産する全大豆の約55%を輸出している。輸出形態は豆のままが最も一般的だが、割合は小さいながらも一部は粉砕されてミール(飼料)に含まれる形で、あるいは油として輸出されている。

最終的に人間が消費する鶏、豚、牛などに与えるミールに多く使われる、タンパク質が豊富な豆類の世界最大生産国であるブラジルは、栽培シーズンの終盤にあたる昨年8月に中国向けとしては過去最大の出荷を記録した。

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トランプ大統領の貿易戦争により、中国との貿易構造が大きく変化

米国産大豆の中国向け輸出は、トランプ米大統領が第1期目半ばに中国との間で勃発させた貿易戦争の影響を受けやすいものの1つだ。当時、米国の対中貿易赤字は他国との貿易赤字の5倍だった。しかし、貿易戦争を表すものは大豆だけではない。

・中国はかつて米国にとって最大の貿易相手国だった。現在は3位だ

・2月に公表される2025年のデータでは、米国の貿易全体に占める中国の割合は数十年ぶりに10%を下回る可能性が極めて高い

・数十年にわたって中国は米国にとって最大の輸入相手国だった。現在は3位だ

・2018年、トランプ大統領が中国からの輸入品約3000億ドル(約47.4兆円。1ドル=158円換算)規模に対して関税を課した際に、米国が中国から輸入していた上位10品目のうち8品目の輸入額は現在では50%以上減少している

・昨年8〜12月のうち3カ月では、米国の国別の貿易赤字で最も大きかったのは、2018年に「他国の5倍」だった対中ではなく対メキシコだった。

米国の貿易赤字は昨年10月に急減した。にもかかわらず、年次データが発表されれば通算5年のトランプ政権下で4番目に多くなる可能性が高い。

かつて輸出の50%超を占めた中国向け大豆シェアが、19%まで低下

そして、米国産大豆の輸出は過去17年のうち10年間で中国向けが全体の50%超を占め、さらに別の4年間でも40%超を占めていたにもかかわらず、2025年の10月までのシェアはわずか19%にとどまっている。

中国のシェアがその後増加していないことが確認されれば、20%を下回るのは少なくとも国勢調査局が公開している最も古いデータである2003年以来、初めてとなる。

過去17年間のうち40%を下回った年は3回あるが、いずれもトランプ政権の時だ。トランプ政権は1期目と2期目を通じて大豆農家への打撃を和らげようと何十億ドルも拠出して支援してきた。

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翻訳=溝口慈子

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