北米

2026.01.20 09:00

マドゥロの警護隊を一瞬で無力化? 米軍が秘密兵器を使ったと真偽不明の情報拡散

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ソニックブラスター

軍楽が生まれて以来、音は一種の兵器としても使われてきたと言えるだろう。旧約聖書に出てくる「エリコの角笛」だけでなく、敵を威嚇したり畏怖させたりするのに使われた太鼓もその例だ。英国政府は1996年までバグパイプを戦争兵器に分類していた

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音響兵器の本格的な開発が始まったのは第二次世界大戦中のことだ。50m離れた地点から鼓膜を破ることができたとも言われるナチ・ドイツのシャルカノーネ(音響砲)のように、音量だけで身体に損傷を与えられるほどの大音量を出す装置が開発された。とはいえ、通常の兵器に比べるとはるかに効率が悪かった。

たんなる大音量では有効な非致死性兵器にならなかったことから、研究者たちは「非音響効果」と呼ばれるものを探究した。これは、可聴音や超低周波の不可聴音、あるいは超高周波の不可聴音によって引き起こされる身体的または心理的効果を指す。

音の効果をめぐっては都市伝説の類いが山のようにある。たとえば「ブラウンノート」と呼ばれる低周波音は、聞くと便意を抑えられなくなると伝えられるが、それが再現で確かめられたことはない。超低周波の不可聴音による「シックビル症候群」に関しては、よりもっともらしい報告があるものの、因果関係の特定は難しいことがわかっている。

音響兵器の開発者の多くは、その兵器によって麻痺やパニック発作などの効果を引き起こせると主張していた。しかし、ドイツ人研究者ユルゲン・アルトマン博士による1998年の決定的研究『音響兵器──前向き評価(Acoustic Weapons – A Prospective Assessment)』では、非音響効果に関する主張について信頼できる証拠はいっさい見つからなかった。

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米軍が配備している装備で音響兵器に最も近いものは「長距離音響装置(LRAD)」だろう。これは「音響砲(sonic cannon)」と呼ばれることもあるが、製造元はこれは兵器ではなく、あくまで遠距離からメッセージを伝達できる呼びかけ用装置にすぎないと強調している。たとえば軍艦などが小型船に音声で警告する場合や、治安部隊が群衆に解散を命じる場合などに使用される。

米国や他国での警察によるLRAD使用については、市民権擁護団体から批判の声が上がっている一方、ほかの大音量音源よりも有害であるという証拠はない。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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