北米

2026.01.20 09:00

マドゥロの警護隊を一瞬で無力化? 米軍が秘密兵器を使ったと真偽不明の情報拡散

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国防総省の非致死性・低致死性兵器プロジェクト

1990年代から2000年代初めにかけて、米国防総省は統合非致死性兵器部(JNLWD)、現在の統合・中間的な力の行使能力室(JIFCO)にリソースをつぎ込んだ。課題は、大声で警告すること(shouting)と銃で撃つ(shooting)ことの「中間」に位置する非致死性もしくは低致死性の兵器を開発することだった。これらの兵器は、人を死傷させずに無力化することを意図したものだ。

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この構想の背景には、将来の戦争、とくに反乱鎮圧作戦では、武力を行使する際に慎重な調整が求められるという判断があった。たとえば、暴動や、投石などの抵抗行動に対処するような場合である。いわゆる「3ブロック戦争」のように、ある街区で高強度の戦闘、隣の街区で平和維持活動、その隣の街区で人道支援任務が行われるといった状況も想定された。部隊には、民間人の犠牲者を出さず、事態をエスカレートさせずに対応する能力が求められた。

ゴム弾、放水砲、催涙ガスといった既存の兵器は、効果が低いうえに危険すぎると見なされている。低致死性(less-lethal、殺傷力の弱い)という用語が採用されたのは、殺す意図のない兵器であっても致命的になり得るからだ。実際、ゴム弾による死亡例は何十件も記録されている

国防総省は、ストロボ式の眩惑装置、悪臭剤、電気ショック弾など多岐にわたるコンセプトに取り組み、なかにはフラッシュバン(閃光手榴弾)のレーザー版とでも言うべき「パルス化エネルギー投射体(PEP)」のような変わったものもある。最大級のプロジェクトだったのは、ミリ波(波長1〜10mmの電磁波)を照射する「アクティブ拒否システム(ADS)」だ。「ペインビーム」とも呼ばれるこの装置は、数百m離れた地点から暴徒らに激しい痛みを与え、後退させることが可能とされた。これらのシステムのなかには実際に配備されたものも少なくないものの、どれも目立った成功は収めていない。アクティブ拒否システムはトラック搭載型の高価な装置であり、使用可能な動作温度に達するまでに数時間かかった。

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また、音響兵器に関するプロジェクトもいくつか存在した。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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