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2026.01.30 16:00

人気絶大、父性的、親日家。日本人の多くがまだ知らない、UAE・ムハンマド大統領とは

Photo by Hamad Alkaabi/Emirati Photographer

Photo by Hamad Alkaabi/Emirati Photographer

「知識・技術・教育」を国家開発成長戦略に位置づけ、石油国家からの脱却を図るアラブ首長国連邦(以下、UAE)。国家戦略の中核には、備えや高い理解力、継続性を重視したムハンマド大統領の一貫した統治哲学がある。国家成長の原動力であり、国民からも大きな支持を得るムハンマド大統領とは、一体どんな人物なのか。彼の人物像を紐解き、今後の日本とUAEのパートナーシップのあり方に目を向ける。


UAEという中東の国に対して、あなたはどんなイメージを持っているだろうか。「ドバイ」「富裕」「石油」を思い浮かべるかもしれないが、それらはごく一面的なものに過ぎない。改めてUAEの基本情報を簡単に整理すると、建国は1971年で、アラビア半島東部に位置し、アブダビやドバイを含めた7つの首長国から成り立つ連邦国家だ。人口約1,000万人のうち自国民は約1割のみで、残りはすべて200を超える国籍の人々で構成されている。

注目すべきは、現在UAEが「石油依存」から脱却し、「知識・技術・イノベーションを基盤とした経済」への転換を大きく進めていることだ。国家開発政策の最前線に置かれているのは、教育・研究・技術開発である。ゆえに再生可能エネルギー、水素、AIなどの先端事業や研究機関への国家的投資を積極的に行っている。また世界の経済ハブを目指し、主要な経済国と包括的経済連携協定(CEPA)を相次いで締結している。

この国家戦略の根幹にあるのが、ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領(以下、ムハンマド大統領)の一貫した統治哲学だ。彼は国家の強さを「社会の安定や人間の尊厳を犠牲にせずに、人々をどれだけ未来に備えさせられるかによって測られる」と考えており、「備え」「理解力」「継続性」を重視している。

中東事情に詳しい、(一財)日本エネルギー経済研究所中東研究センター 研究主幹の堀拔功二は、UAEの成長について次のように示す。

「ムハンマド大統領は、『UAEを世界で最も優れた国にする』『国民・住民の幸福を実現する』などの目標を明確に打ち出しており、それに向かって政府が一丸となっている。ムハンマド大統領は、スピード感に満ちたUAEの成長の原動力のひとつだといえる」

Image courtesy of the official website of Mohamed bin Zayed
Image courtesy of the official website of Mohamed bin Zayed

先端技術事業と教育改革は「責任」の一形態

ムハンマド大統領の統治哲学を具現化したのが、近年の宇宙開発、AI、科学分野における取り組みだ。たとえば、火星探査計画「エミレーツ・マーズ・ミッション」や国民の遺伝子情報を収集する医療ゲノム×AIの「UAEゲノム・プログラム」。これらは、“国家が果たすべき責任の一形態”として位置づけられ、知識共有や人類の長期的利益に向けた活用を前提としている。能力や規模を誇示するためではなく、協調性、開放性、実践的活用を重視する姿勢は、国際的にも高く評価されている。

国内の教育改革においても同様である。2017年、世界に先駆けてAI専門大学院「ムハンマド・ビン・ザーイド人工知能大学」を設立したが、これは国際的な協力を通じて高度な専門人材を育成するという強い意志の表れである。最近では、次世代が先端技術を単に利用するのではなく、その本質を理解し、責任をもって関与できるようにするため、すべての公立学校(初等・中等教育)へのAI教育導入も決定している。

アラブ首長国連邦(UAE)大統領のムハンマド殿下、UAE副大統領兼首相でありドバイ首長のムハンマド・ビン・ラシード・アール・マクトゥーム殿下、ならびにドバイ皇太子、UAE副首相兼国防大臣、モハメド・ビン・ラシード宇宙センター(MBRSC)総裁のハムダン・ビン・ムハンマド・ビン・ラシード・アール・マクトゥーム殿下が、MBRSCのミッション・コントロール・センターにてチームに向けて言葉をかけている様子。(Photo by The Mohammed Bin Rashid Space Centre(MBRSC))

アラブ首長国連邦(UAE)大統領のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン殿下、UAE副大統領兼首相でありドバイ首長のムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム殿下、ならびにドバイ皇太子、UAE副首相兼国防大臣、ムハンマド・ビン・ラーシド宇宙センター(MBRSC)総裁のハムダーン・ビン・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム殿下が、MBRSCのミッション・コントロール・センターにてチームに向けて言葉をかけている様子。Photo by The Mohammed Bin Rashid Space Centre(MBRSC)

「守護の責務」としてのリーダーシップは、父からの影響

ムハンマド大統領は、UAEを建国した初代大統領のシェイク・ザーイド・ビン・スルターン・アール・ナヒヤーンの息子として、1961年にアブダビで生まれた。幼少時代は、UAEの建国期にあたり、国家が一から築き上げられる様を目の当たりにしながら育ったという。当時から「権威型」ではなく「奉仕型」だった父のリーダー像を間近に見ていたこともあり、「安定、統一、忍耐が生存と発展の鍵であり、リーダーシップは長期的な責任と切り離せない」という認識を早くから持っていたようだ。

イギリス・サンドハースト王立陸軍士官学校を卒業した後は、アブダビ副皇太子、同皇太子、UAE軍副最高司令官を経て、2022年、父・兄に続く三代目のUAE大統領およびアブダビ首長に就任した。

ムハンマド大統領は、大統領職を権力の座ではなく、「守護の責務」と捉えている。そして、リーダーシップについては「国家の安定を守り、社会の結束を強化し、進歩が現世代だけでなく未来世代にも利益をもたらすことを確保する責任」と表現している。そのため、冷静で注意深く、思慮深い人物として広く認識されている。

そして不確実性や危機の局面においても周囲の声に慎重に耳を傾け、専門知識を尊重し、落ち着いた態度を保つことから、「父性的な指導者」として受け止められている。その姿勢は常に一貫しており、地域的あるいは世界的な不安定期においても変わらないという。

Photo by Hamad Alkaabi/Emirati Photographer
Photo by Hamad Alkaabi/Emirati Photographer

日本式教育、茶道精神に深い共感を示す親日家

大統領に対する国民の信頼は厚く、通称“MBZ”として親しまれている。

「ムハンマド大統領の人気は絶大。12月2日の国祭日(ナショナル・デー)には、UAEの国旗やムハンマド大統領をはじめとする首長たちの顔写真を自慢の車にデコレーションする人たちをよく見かける。ムハンマド大統領に対する人々の強い忠誠心の現れだろう。

同様に、彼は多くの外国人住民からも敬愛されている。現在までのUAEの発展に、多くの外国人が尽力し、貢献してきたことに謝意の姿勢を示した最初の指導者だと言える。(アブダビ皇太子時代に)コロナ禍で外国人の医療従事者が感染によって亡くなった時には、遺族に直接電話をして寄り添おうとするなど、バランス感覚も持ちあわせている。経済多角化の推進のためには人材と技術が重要であり、国外から高度人材を招き入れる努力が必要であることをよく理解している」(堀拔)

また、ムハンマド大統領は親日家で、特に日本の伝統教育や文化に深い理解があることでも知られる。

「以前から、アブダビや東京で多くの日本の要人と交流を持っているようだ。UAE人子弟がアブダビ日本人学校に通っているのも、日本式教育に感銘を受けた彼の肝いりのプロジェクトだったと聞いている」(堀拔)

日本式教育のほかには、茶道の精神にも深い関心を持ち、裏千家第15代家元の千玄室氏と古くから交流。2009年に千玄室氏が贈ったアブダビのエミレーツパレス内にある本格的な茶室「緑水庵」はその友好の証とされる。2025年に千玄室氏が逝去した際、ムハンマド大統領は、調和・心の在り方、意図を重んじる文化哲学としての茶道へ敬意を示す弔意を表明している。

© Urasenke Abu Dhabi / Urasenke
© Urasenke Foundation.

日本とUAEが築く、次世代パートナーシップ

近年、日本とUAE間では、クリーンエネルギー、再生可能エネルギー、水素、アンモニア、AI分野などでの取引拡大が進む。今後は、宇宙開発分野でもまた新たな成果が生まれそうだ。記事の前段でUAEの火星探査について触れたが、実はその探査機は日本企業との提携で種子島から打ち上げられている。UAEと同企業が再び提携し、2028年に小惑星帯探査ミッション「H3」ロケットの打ち上げを実施することが発表された。

ムハンマド大統領は、日本を長年にわたり信頼できるパートナーとし、日本の強みを信頼性、技術力の高さ、長期的思考にあると捉え、日本の技術やノウハウを重視しているという。彼の外交アプローチは、一貫性、信頼性、長期的なコミットメントによって果たされるという信念のもとにある。国家政策と同様、短期的な利益に依存せず、パートナーシップを通じて能力を育成し、知識を共有し、長期的価値を創出する協力関係に重点を置いたものだ。これにより、各国が持続的な能力を構築し、自立的に発展していく道筋を築くことを可能にしている。

現在、両国は経済連携協定(EPA)※1の締結に向けて交渉中だが(2025年12月時点)、これが成立すれば、さらに両国間での貿易の活発化や投資の促進が予想される。日本の企業やビジネスパーソンにとっては、貿易の規制緩和により、ビジネス活動がよりスムーズになるうえ、新たなビジネスチャンスの創出も期待できるだろう。地理的な距離もあり、いまは日本人の多くがUAEを遠くの国に感じているかもしれない。しかし、将来的には日本にとってより身近で重要なパートナーとして認識されていくだろう。

※1 他国では包括的経済連携協定(CEPA)という用語を使用することもある

Promoted by The Emirates | text&edited by Rie Suzuki