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2026.01.22 10:00

ペイパル「低迷から脱却へ」──株価75%下落の元祖フィンテックが再び世界を狙う理由

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PayPal World

今後を見据えると、ペイパルの世界戦略は特定の地域にとどまらない。同社は新たなプラットフォームPayPal World(ペイパル・ワールド)を通じ、世界のさまざまなデジタルウォレットを、自社が所有・運営する統一的な決済インフラでつなぎたい考えである。

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この構想に聞き覚えがあるのは、アリペイが2022年に類似のサービスAlipay+(アリペイ・プラス)を立ち上げているためだ。両者はいずれも、国際取引の手間を減らすため、相互接続に重点を置く。大きな違いが一つあるとすれば、Alipay+が加盟店決済により重点を置くのに対し、PayPal WorldはVenmo(ベンモ:PayPalのアプリ)ユーザーの連携のような個人間送金(P2P)も重視している点だ。

ただしPayPal Worldには注意点がある。アリペイが、長年の戦略パートナーである電子ウォレットを中心にAlipay+を立ち上げたのに対し、ペイパルは、これまで密接な提携関係がない断片化した決済システムも統合しなければならない。難易度は高い。特にペイパルは、中国でもインドでも強固な足場を築けていない。

戦略の継続

確かにペイパルはここ数年、中国への投資を強化してきたが、参入は遅かった。越境電子商取引は同社に強みがある領域だが、ストライプやアディエン(Adyen)からエアウォレックス(Airwallex)、ペイオニア(Payoneer)に至るまで、国際的な競合は多い。

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インドについては、PayPalは2025年4月にインド準備銀行(RBI)から、輸出向け越境決済の代行業者としての原則承認を取得した。この原則承認により、ペイパルは規制の枠組みの下で越境決済サービスを継続して提供できる。対象市場は巨大だが、中国と同様に、ストライプ、ペイオニア、ワイズ(Wise)など競合は多い。

総じて、ペイパルの見通しは欧州、ブラジル、中東、アフリカで強い。これら市場での新規投資は実を結ぶ可能性が高いが、時間はかかるだろう。中国とインドでは、現地パートナーとの連携をどれだけ生かせるかが成否を左右する。

筆者は、ペイパルの国際展開が続き、2026年に売上高が新たな高水準に達し、その後も今後数年にわたり着実に増加していくと見込む。それでも投資家を満足させ、低迷する株価を立て直すのに十分かどうかは、なお見通せない。

(forbes.com 原文)

翻訳=酒匂寛

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