現在発売中のForbes JAPAN1月23日発売号の第三特集は、テクノロジー領域で世界を変える女性、ジェンダーマイノリティ30人に注目する「Women In Tech 30 2026」。『Forbes JAPAN』では2024年から同企画を開始し、26年は2回目となる。19人のアドバイザリーボードからの推薦をもとに選出した30 人に光を当て、女性、ジェンダーマイノリティたちのエンパワーメントとともに、同領域における次世代のロールモデルが見つかるような企画にしていくことを目標にしている企画だ。世界的に遅れていると言われるなか、転換期を迎えている日本で躍動し、その主役とも言える活躍をしている30人を紹介する。
事務職など、女性比率の高い職種は今後自動化の影響を受けやすく、2040年には214万人の余剰人材が生まれると試算される。一方で、AIやロボティクスといった成長産業では326万人が不足し、労働市場のミスマッチは拡大する。この危機感に最も敏感に反応しているのは、出産や育児などでキャリアを中断した女性たちだと、Women AI Initiative Japan(以下、WAIJ)代表理事の國本知里は語る。
「25年3月に主催したカンファレンスには400人以上の女性が集まり、最も反響があったのは著名テック企業によるリスキリングのセッションでした。非正規からキャリアをスタートした方もいる。女性たちは仕事も出産も育児も何とか乗り越えてきた。しかし、AIが急速に世の中を変えるなかで、今後どうすればいいかわからない、という不安の声が大きかったのです」
國本はSAPや外資系ITベンチャー、AIスタートアップなどで経験を積み、22年に企業向け生成AI人材育成・定着化支援のCynthialyを創業した起業家だ。23年からソニーやサイバーエージェントなどから協力・会場提供を得て国内最大級の女性AIリーダーコミュニテイであるWAIJを開始。当初は女性リーダーの輩出を目的としていたが、前述のカンファレンスなどを通じて、リーダーだけではなく、“すべての女性”がAIを学び、活用することが重要と感じるようになった。実際に、WAIJが独自に行った日本全国20~59歳の女性1,116人への調査では、利用頻度は低く、「取り組みたいが自分には難しそう」(41%)といったネガティブな印象が目立った。一方で、「女性と一緒に学べる場」への参加意欲は80.6%と高く、学習機会への潜在的なニーズを確認できた。
キャリアアップだけがゴールではない
WAIJではコミュニティを通じたリスキリング・キャリア支援や啓発活動に加え、単なる学習にとどまらない。女性AI起業家育成プログラム「RAISE HER」や、日本マイクロソフトと連携した「Copilot Women AI 実践リスキリングプログラム」など、リアルなビジネス課題の解決を通じた実践に焦点を合わせた活動を展開する。
國本らが目指すのは、 すべての女性が自律的に人生を選択できる社会だ。「必ずしもキャリアアップだけがゴールではない。バリバリ働きたい人も、育児や家庭を大切にしたい人もいる。短時間でも価値を発揮できる働き方がどんどん増えればいい。AIがその助けになると考えています」



