そんなある日、ふと立ち寄った八百屋で見慣れない野菜に目が留まった。「これ、何だろう。おばちゃん、これどうやって食べるんですか」。その小さな好奇心が、再び心を動かすきっかけとなり、日常のなかにあるささやかなワクワクの大切さに気づかされた。YouTubeという表現手段に出合ったのも、そのころだった。
「ワクワクって、ドキドキとは違って、不確定な未来に期待する気持ちなんですよね。どうなるかわからない恐れや不安もあるけれど、未来の自分に期待し続ける。日常の小さなワクワクのタネに気づいて大事にできたら、それがいつしか大きく膨らんで、希望になると思うんです」
そもそも、あさぎーにょらしさは最初から完成していたわけではない。視聴者からのコメントと向き合うなかで、少しずつかたちになったものだ。「ポップなものが好きなんだね」「なんだかヘンテコだね」「どうしてそれが好きなの?」。そうした問いを受け止めるたびに、自分の好きを掘り下げ、理由やルーツを考え続けることで世界観は磨かれていった。「でも、色みや世界観はあくまで“手段”だと思っています。私がいちばん伝えたいのは、“ワクワクを抱きしめよう”というメッセージだから」。
本質的な理由を手に入れたことで、活動は加速した。ECサイトから始めたアパレルブランド「POPPY」は、原宿に2店舗を構え、ポップアップストアも国内外で開催。上海では計1万人以上が来店するまでになった。現在では、あさぎーにょ本人を知らずにブランドに出合い、ファンになる人も増えている。組織も拡大し、メッセージに共感する仲間とともに事業を育てるフェーズへと移行した。
「やっとメッセージが独り立ちして、インフルエンサーブランドから切り離すことができました。今は私だけのものではなく、チームみんなでつくりあげている感覚です」
今後はネイルサロンやカフェなどの新事業も構想中だ。「私自身も、世界観も、変化させ続けたいと思っています。そのためにも日常をちゃんと彩っていきたい。今、仲間と一緒に事業に取り組めていることが本当に幸せで、いろんな事業が生まれれば、同じ思いをもつ仲間も増えていく。どんな人も小さなワクワクを抱きしめられるあたたかい世界を、少しずつ広げていきたいです」
あさぎーにょ◎「ワクワクを抱きしめよう」をテーマに、人々の日常をポップに彩るポップクリエイター。YouTubeやSNSでの発信を軸に、ファッション・ビジュアル・空間表現など多角的なクリエイティブを通して、誰もがワクワクを抱きしめられるあたたかい世界の実現を目指している。


