2026年1月19日(月)の日本時間午前4時52分に、月は新月の瞬間「朔」を迎えた。この新月は、単なる満ち欠けの始まりにとどまらない意味を持つ。この日を起点とする新たな月の軌道が2026年2月17日に太陽の軌道(黄道)と交差し、南極大陸の上空で壮観な金環日食が起こるのだ。19日の新月はまた、中国・中華圏の旧正月「春節」とイスラム教の断食月「ラマダン」の日取りを決めるものでもある。
2月17日、南極では「リング・オブ・ファイア(炎の環)」の異称で知られる珍しい金環日食が見られる。新月が太陽の円盤の96%を完全に覆い隠し、最大2分20秒間にわたって金色に輝くリング(金環)が上空に現れる。アフリカ南部と南米の一部地域では部分日食が観測できる。
この日食をもたらす新月は、旧暦(太陽太陰暦)の正月である春節の訪れを告げる。中華圏では2月17日に干支が切り替わり、「丙午(ひのえうま)」の1年が始まるのである。
一方、同じく月の満ち欠けの周期に基づくイスラム暦(ヒジュラ暦)では、新月の後に細い月が最初に目視確認できた日を新しい1カ月の起点とする。したがって、ラマダンは2月18日に始まる見込みだ。ラマダンの終了日も月齢観測によって決まり、今年は3月19日頃と見込まれている。
「火の馬」の年の初めを飾る「炎の環」
今年の干支は60年に一度の「丙午」。「丙(ひのえ)」は陰陽五行説で「火」と「陽」の属性の組み合わせに当たり、太陽や炎を象徴することから、丙午は「火の馬の年」とも呼ばれる。前回は1966年だった。
春節を迎えてから初めての満月(2026年3月3日)には、中華圏で「元宵節(げんしょうせつ)」を祝う。これは旧暦1月15日に正月行事を締めくくる日(日本の小正月に相当)で、色とりどりの提灯を飾ったり空に飛ばしたりする、いわゆる「ランタンフェスティバル」が有名だ。この満月は皆既月食と重なっており、円い月が深みのある赤色に染まる「ブラッドムーン」を今年唯一観測できる機会となる。
だが、「火の馬」と「食」にまつわる奇遇はこれだけではない。2026年2月17日の金環日食で始まる丙午の年は、2027年2月6日に起こる次の金環日食で終わるのだ。



