ただし、このサービスは、堀江氏自身がMVNOになっているわけではなく、利用者が契約するのはエックスモバイルになります。回線を提供しているのも、エックスモバイルです。MVNOを支援するMVNEとは違い、あくまで運営の主体になっているのはエックスモバイル自身というわけです。
このような仕組みを「ホワイトレーベル」と呼びます。自らのブランドを真っ白な紙のようにして、その上に協業先のブランドを乗せていくことを指します。協業相手と収益をシェアすることで、自社と協業先、双方にメリットがあるビジネスになります。
同様の仕組みを企業も利用している
堀江氏のケースでは、個人のインフルエンサーが協業相手でしたが、同様の仕組みは企業も利用しています。ドン・キホーテやアピタなどの小売店を手がけるパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)です。
同社もまた、エックスモバイルと協業して、「マジモバ」というサービスを展開しています。マジモバには「今月のおごり」という特典があり、ドン・キホーテなどの店舗で商品を無料でもらえるクーポンが発行されます。また、PPIHの手がけるUCSカードとも連携しており、マジモバの料金支払いに対しては通常の5倍のポイントが付与されるようになっています。
PPIH側のメリットは、通信料収入というより、同社の会員サービスに利用者を囲い込めるところにあります。MVNOという仕組みを会員獲得や会員維持のための特典にしていると捉えることも可能。その意味で、従来の通信事業者とは、通信事業とそれ以外の事業の主従関係が逆転していると言えるでしょう。
このような形で通信事業に取り組めるのは、ホワイトレーベルという仕組みによって簡易的にサービスを始められるためです。料金プランの設定や、契約、さらには技術的な対応はエックスモバイルに任せられるため、一般的なMVNOになるよりも手軽と言えるでしょう。


