健康

2026.01.24 17:00

なぜ1月に「感情的な距離」を感じやすいのか──心理学者が解説する3つの理由

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1月には、言葉にしづらい独特な感情を抱きやすいと感じる人が多い。その理由の1つは、この月がとりわけプレッシャーを感じやすい時期だからである。ホリデーシーズンが終わり、日常の生活が一気に戻ってくる一方で、私たちはなぜか、直前の1年よりも、これからの生活が落ち着き、整然としたものになることを期待してしまう。その結果、安堵感や意欲を感じるのではなく、他者に対して、さらには自分自身に対してさえも、感情的な距離を感じると訴える人が多くなる。

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この距離感は、冷淡さや関心の低下、人間関係の問題だと誤解されがちである。しかし実際、心理学的には、1月は感情の再調整が同時多発的に起こる時期だと考えられている。1月になったからといって、突然誰かを大切に思わなくなるわけではない。むしろそれは神経系、期待、自己概念が同時に変化していることを表しているのに過ぎないのである。

本稿では、健全な人間関係の中にあっても1月に感情的距離が表れやすい理由を3つ紹介しよう。

1.12月に高ぶった神経系が落ち着く時期

12月は、それを楽しんでいる人にとってさえ、感情的に非常に強度の高い月である。社交的な要請の多さ、期待値の高まり、生活リズムの乱れ、そして絶え間ない感情刺激に満ちている。

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生理学的な観点から見ると、この持続的な刺激は、慢性的なストレスによって身体と脳に蓄積される負荷である「アロスタティック負荷」を増大させる。感情的・認知的な活性状態が長く続くことで、神経系は過覚醒状態に押し上げられるのだ。

1月になっても神経系がすぐに元の状態に戻るわけではない。むしろ、反対方向に振れることが多い。これは「感情的な二日酔い」と表現されることもある。数週間にわたる強い刺激の後、脳は省エネルギーモードへと移行する。この切り替えが起こると、感情反応性は低下し、意欲も落ち込みやすくなる。その結果、軽い社交的関わりでさえも、労力を要するものに感じられる。

学術誌『Brain, Behavior, & Immunity – Health』に掲載されたストレス回復に関する2023年の研究によれば、長期にわたって感情が活性化した後、人は感情の鈍化や後退を経験することが多い。しかし、この感情の平坦化を抑うつ症状と混同すべきではない。むしろ、消耗したシステムを回復させるための、防御的な再調整として捉えるべきである。

社会的な場面では、これは感情的な余裕の低下、身の無い会話、愛情表現の弱まり、あらゆることに深く関与したいという欲求の低下として現れることがある。ここで重要なのは、この距離は「調整した結果」に現れるものであって、関係が悪化したことを表すのではないという点である。これは神経系の疲労を反映しているのであり、これを「つながりの喪失」だと誤解すべきではない。

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翻訳=江津拓哉

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