部下の仕事への向き合い方や性格を変えたい。子どもを理想通りに育てたい。パートナーの欠点をどうにかしたい――。
それは本当に可能なのだろうか? 世界40か国以上で累計400万部超の著作を持つロルフ・ドベリ氏は、「他人を変えようとすること」の危険性を指摘する。
科学的研究に基づき52の「やってはいけないこと」をまとめたドベリ氏の新著『Not To Do List 失敗を避けて、よりよい人生にするためのやってはいけないことリスト』(サンマーク出版)から、一部抜粋、再構成してお届けする。
やってはいけない:他人を変えようとする
まったく見込みのないことで人生を無駄にしたい人へのアドバイス。それは、「他人を変えようとすること」。
明らかに問題のある人と結婚し、その人の救いの女神、騎士になろう!
そして自分の子どもを、あなたにそっくりな、忠実なコピーに育てよう。同じ興味、同じ長所、同じ性格。
もちろん、職場でもあなたの魔法を取り入れよう。優れた業績を静かに築きあげる慎重な人々を、リスクを恐れない強者に変身させよう。経理担当者を営業部門に、グラフィックデザイナーをIT開発部門に異動させよう。
コリントスの王シーシュポス(ギリシャ神話に登場する貪欲で邪悪な王で、報いのない無意味な労働の象徴)がファンクラブにあなたを迎えてくれるだろう。
あなたの努力が徒労に終わることは間違いない。
【真のアドバイス】
変えられるのは「自分のことだけ」と心得よう
人は、自分や他人の「性格」を変えられるのか? 何百年にもわたり蓄積された経験、つまり世界文学の答えはこうだ。もちろん、不可能!
例として、2つの作品を極端に短縮して紹介しよう。
まずは、トルストイの傑作『アンナ・カレーニナ』。
主人公のアンナは、貴族に求められる上流社会の規範に自分を合わせようとした。しかし、できなかった。そして、彼女は最後に列車に飛び込んだ。
次に、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』。
主人公の若者は、自分の陰気な性格では愛するロッテに振り向いてもらえるチャンスはないとすぐに自覚した。彼はあらゆることを試みた。住んでいた土地を離れ、芸術活動に没頭し、自然の中で救いを探した(とてもロマンチックだ)。
しかし、どれもうまくいかなかった。そして結局、彼は銃で自らの命を絶ってしまった。



