設立原則である5本の柱は、AI企業によるデータの自由な利用を許容
実際のところ、ウィキペディアの創設理念に照らせば、こうした状況は避けられない。特設サイト「ウィキペディアの25年間」にもあるように、ウィキペディアの理念を支える「5本の柱」は以下の通りだ。
(1)ウィキペディアは百科事典である
(2)ウィキペディアは中立的な観点から書かれる
(3)ウィキペディアは誰でも利用、編集、配布できるフリーコンテンツである
(4)ウィキペディアの編集者は互いに敬意と礼節をもって接するべきである
(5)ウィキペディアには厳格なルールは存在しない
パートナーシップ契約は、データの構造化と運営のための収益を提供
3番目の理念がある以上、どのAI企業も、同意の有無にかかわらずウィキペディア全体を自動で収集(スクレイピング)したりダウンロードしたりして、世界が無償で提供してきた知識をAIモデルの訓練に使うことができる。それでもウィキペディアが築いた企業向けパートナーシップは、少なくとも、整理された形でアクセスでき、しかも定期的に更新されるようにできる可能性がある。さらに、ウィキペディアに一定の収益ももたらし得る(おそらく数十万ドル[数千万円]規模だが、収益の詳細は公表されていない)。
少なくとも、こうした提携はウィキペディアのサイト負荷を減らし、人間の利用者すべてのためにサイトを稼働し続けることも確実にする。
25周年を記念してボランティアを称え、創設者は「人類の最良の姿の25年」と語る
25周年の祝賀は、ウィキペディアを築き、今も築き続けている25万人近い人々に光を当てた。自然災害のさなかにページの作業をした「ハリケーン・ハンク」のような世界各地のボランティア編集者の話から、正確な健康情報の提供に貢献する医療専門職の話まで、さまざまなエピソードが共有された。
創設者ジミー・ウェールズは、ウィキペディアを「人類の最良の姿の25年」と位置づけてきた。
願わくは、その基盤が、AIにおいても最良の姿を生み出す助けになることを期待したい。


