1. 空想(デイドリーミング)の習慣
マインドワンダリング、つまり注意が目の前のタスクから離れて、自然に頭の中に浮かぶ思考へと流れるている状態は、長らく不注意の明確な兆候と考えられてきた。だが創造的な思考や認知の柔軟性を支える可能性もあることが近年の研究で示されている。
たとえば、1300人以上の成人を対象とした2025年の研究では、意図的なマインドワンダリング(つまり、あえて空想すること)が、創造的な高いパフォーマンスを予測することが示された。脳画像データはこの効果が実行制御に関与する脳の大規模ネットワークと、自然に頭の中に浮かんでくる思考や想像に関連するデフォルトモードのネットワークとの結合性の増加によってもたらされている可能性を示唆していた。
また、自発的なマインドワンダリングの傾向が強い人はタスクの切り替えもうまい。つまり、精神をより素早く切り替えられるということであり、これは柔軟な思考を明確に示すものだ。
マインドワンダリングと密接に関係するもう1つの習慣として、自発的思考の能力がある。専門誌『PNAS Nexus』に2024年に掲載された研究では、3300人以上から得た自発的思考のサンプルを自然言語処理で解析した。その結果によると、自発的な思考は目標に関連する情報を中心に構成され、記憶の定着を支える傾向があるという。つまり「何もしていない」ように見える思考は、行き当たりばったり的なメンタルノイズではなく、適応的な認知機能を果たしていることが多い。
ただし、マインドワンダリングはどんな問題も解決するようなものではないことに留意する必要がある。その利点が根付くのは、注意の制御とのバランスが取れている場合に限られる。もしあなたの思考が漂うことが多くても、同時に集中力と自己認識が保たれているなら、あなたは創造性や柔軟な思考、問題解決を支える思考モードにアクセスしている可能性がある。


