CES 2026の幕が下りた。人工知能、ヒューマノイドロボット、そしてネット接続型のスマートホーム機器が主役だった。
世界最大の一般消費者向けテクノロジー展示会であるCESは、今後12カ月の間に私たちが苦労して稼いだお金をつぎ込むことになる玩具、道具、ガジェットを披露することを狙いとしている。そして、それらの多くは産業用途や職場のテクノロジーにも入り込んでいく技術革新を土台にしているため、仕事の未来についても重要な示唆が得られる。
しかし、ニュースの見出しをさらう華やかな発表の裏側では、“語られないこと”が“語られること”と同じくらい重要だと分かる場合が多い。
メーカーは最新製品が生活をどう良くするかを盛んに語る一方で、社会的・経済的・環境的な影響の詳細は、しばしば十分に語られない。
そこで本稿では、今年ラスベガスで語られなかった、この最新の消費者向けテクノロジーの波が意味するところを挙げる。加えて、こうした意図的な「省略」を理解することが、真の影響を見極めるうえでなぜ重要なのかについて考える。
人の雇用とスキル
CES 2026では、家事ロボットからAIによるコンテンツ生成システムまで、労働を省く装置が至るところで見られた。これらのツールやアプリは家庭だけでなく職場にも入っていくはずだが、人の仕事に与える影響についての議論はほとんどなかった。多くの人は、企業にとって最大の課題は技術を導入すること自体ではなく、技術が引き起こす変化に備えられるよう人材と仕事を組み替えることだと考えている。革新にあふれていた一方で、今年のラスベガスでは、技術の力と人の準備状況の間で広がり続ける溝を企業が埋めるのに役立つ展示は、ほとんど見当たらなかった。
AIの環境コスト
同様に、展示されたAI製品を学習させ、動かすために必要な膨大なエネルギー消費についても、ほとんど語られなかった。CES 2026では、循環型経済や環境技術(クリーンテック)などをテーマにしたパネルや討論フォーラムが開かれたが、会場に並ぶ電力を大量に消費するAIツール、サービス、家電に対して、こうした考え方がどう関わるのかについては、示された手がかりは限られていた。持続可能な技術に特化したエリアが設けられ、話題が完全に無視されたわけではない。だが、環境負荷が次のAI主導の革新をどう形作るのかについて、踏み込んだ議論は欠けていた。



