マネーフォワード代表取締役社長 グループCEOの辻 庸介は1月16日、これまでの個人でのフィランソロピー活動をまとめたForward FoundationのWEBサイトを立ち上げた。同財団で「誰かの挑戦を支える仲間でありたい」をビジョンに掲げ、「これは新しい挑戦でもあります」と語る辻に、フィランソロピー活動について聞いた。日本のフィランソロピー新潮流とも言える、起業家のフィランソロピーの新しい取り組みのひとつだ。
━━フィランソロピーをどのように考え、始めたのか。
辻 庸介(以下、辻):僕らの世代の起業家は、メルカリ代表執行役 CEO(社長)の山田進太郎さんの山田進太郎D&I財団やSansan代表取締役社長/CEO/CPOの寺田親弘さんの神山まるごと高等専門学校をはじめ、八ヶ岳中央農業実践大学校の理事長に就任したビジョナル代表取締役社長の南壮一郎さん、広島県神石高原の地方創生に取り組むSHIFT代表取締役社長の丹下大さんなど、事業経営をしながら、社会にインパクトを与えることをしたいという志向があります。僕も2017年9月にIPO(新規株式公開)し、多くの方々のおかげもあり、その資産が一部入ってくることで、「どのように社会に還元するか」が大きなテーマのひとつとなりました。その方法を模索しながら、少しずつフィランソロピーを始めていきました。
さまざまな人に会えば会うほど、世の中には社会課題が数多く存在し、その社会課題の解決に真剣に取り組んでいる素晴らしい方々がたくさんいらっしゃった。資本主義の外側や、資本主義と相性が良くないけれども社会課題解決に取り組んでいる起業家たちがいて、僕らが受けた恩をうまく返してつなげていければいいと思うのが、フィランソロピーを始めたひとつの理由です。
もうひとつの理由は、社会課題解決の仕方についてです。僕らのような起業家はサステナブルなカタチを考えることが多い。寄付だけですと、継続性がなくて、難しいことも多い中で、継続性がある形で、課題解決の「パワー」が大きくなる仕組み、それはヒト、モノ、カネ、情報などすべてですが、それらをアイデアやスピード感、知恵を通してよりスケールアップしていくことを僕らはビジネスで学んでいます。その考えや知恵、仕組みをNPOをはじめ、社会課題解決をしている起業家のみなさんの役に立てないか、という考えの2つで行っていますね。
それに加えて、僕は渋沢栄一さんのアプローチをすごく尊敬しています。当時の日本経済に必要なものを定義して、自分たちはおカネや仲間を出すけれど、実際は若い「思いがある人」を呼んできて社長や経営陣にし、後方支援しながら、エコシステムをどんどん大きくしていかれた。そして、日本社会や日本経済の課題を解決しにいかれた。この方法がすごくいいなと思い、今、参考にしています。



