リーダーシップ

2026.01.17 09:00

組織内に潜む「複数のカルチャー」、リーダーの対応策の鍵は好奇心

Shutterstock.com

共存するカルチャーが明らかにすること

カルチャーの感じ方は組織での立ち位置によって全く異なることがある。現場の最前線でリーダーからのメッセージを受け取る人は、顧客やスケジュール、絶え間ない割り込みに対処しながらそれを聞く。そうした人はメッセージを「指示」ととらえる経営層ほど注意を払わないかもしれない。リモート勤務の従業員の緊急性の受け取り方は出社して働く従業員たちのものとは異なることがある。勤続年数が長い従業員は年数が浅い従業員よりも慎重に耳を傾けることが多い。

advertisement

従業員の職務もメッセージの受け取り方を左右する。営業チームは緊急性のあるものとして受け取るかもしれない一方で、エンジニアは逆の反応を示し、何かが壊れる可能性を念頭に速度を落とすことがある。問題が起こるのは、全員が同じようにメッセージを聞いたはずだとリーダーが思い込むときだ。

リーダーは計画は理にかなうものだと思いながら会議を後にするかもしれない。従業員がすでに抱えているタスクを十分に把握していない場合はなおさらだ。だが往々にして従業員は会議後に「頼まれた変更を取り込む時間をどう捻出すればいいのか」と途方に暮れる。

テクノロジーの変化は事態をさらに複雑なものにし得る。リーダーが新しいシステムを改善として語るとき、機会と受け取る人もいれば、仕事のやり方がどう変わるのか、あるいは自分でコントロールできない形で期待値が変わるのではないかと不安になる人もいる。そうした反応が議論されなければ、後になってためらいや「必要最低限だけやる」という行動として表面化する傾向がある。

advertisement

カルチャー中心主義の弊害

カルチャー中心主義とは、リーダーが自分の経験を基準点として扱ってしまうことだ。リーダーの視点では質問は迷惑に感じられ、ためらいは抵抗だと解釈されることがある。そうなると好奇心が制限され、エンゲージメントやイノベーションに影響が出る。

人はリーダーが何を奨励・評価・無視するかに注意を払う。やがて発言の内容やタイミングについて慎重になる。アイデアは持っていても、それを共有するタイミングや方法を一層慎重に選ぶようになる。

十分な考慮なくして変革は成功せず

変革の取り組みが苦戦することが多いのは、その変化が従業員の日々の仕事にどう影響するかに十分に注意することなく計画やスケジュールに注意を向けるからだ。リーダーは業務量への影響を十分に考慮せずに施策を発表することが多い。従業員はその変化が自分の業務にどう影響するか、特に自分の仕事が一層大変になるのではないかと考えている。

そうした懸念が直接扱われなければ、人は自己解釈をし始める。非公式の場で会話が始まり、互いに情報を照らし合わせ、独自に結論を導く。やがてメッセージの整合性が失われると、リーダーへの信頼が揺らぐ。伝わる過程でメッセージの中身が変わっていく伝言ゲームのように感じられる。変化についてリーダーが考えているものとは違うと従業員が感じると、優れたアイデアであっても先に進まない。

次ページ > リーダーが「気づく」方法

翻訳=溝口慈子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事