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2026.01.16 08:00

イラン大規模デモ、トランプの「支援」が奏功するには3つの条件

イランの首都テヘランで2026年1月8日、抗議行動中に集まった人々(Anonymous/Getty Images)

イランの首都テヘランで2026年1月8日、抗議行動中に集まった人々(Anonymous/Getty Images)

ドナルド・トランプ米大統領はイランで近年最も大規模な反政府デモについて「米国は支援する準備ができている」と表明した。イランの政権が暴力をエスカレートさせた場合、軍事行動も辞さないとも警告している。こうした発言は、米国の敵対国で反政府の動きが起こるたびに繰り返される問いをあらためて呼び起こす。外国からの支援は、どのような条件下であれば実際に抗議運動の成功に寄与するのか、という問いだ。

歴史の記録が示しているのは、その答えは支援そのものよりも、外部のアクターには制御できない要因に左右される、ということである。

歴史的に見れば、外国の関与が反体制運動を強めたケースと、そうできなかったケースを分ける条件は3つある。1つ目は、外部からの支援を取り込める組織が国内に存在するかどうか。2つ目は、治安機構内に分裂があるかどうか。3つ目は、外部からのシグナルが国内で運動の正当性を高めるか、それとも反対に損なうかだ。

条件1:国内組織

外部からの支援は、資金提供や通信アクセスの確保、国際的な注目を通じて抗議運動側の能力を高める。ただし、その能力が政治的な影響力へと転化するのは、外部からの支援を長期にわたり広範囲で受容し、調整し、持続させることのできる、組織化された国内アクターが存在する場合に限られる。

そうしたアクターの有無ははっきりとした違いを生む。たとえばシリアでは、ばらばらな「自由シリア軍」諸派への外部からの支援は持続的な成果を生み出せなかった。これに対してクルド人勢力と米国の協力が有効に機能したのは、まさにクルド人勢力は紛争に参加した時点ですでに組織化され、規律があり、領域を保持する能力を持っていたからにほかならない。その後、アフマド・シャラア(現在は暫定政権の大統領)率いるシャーム解放機構(HTS)が支配を固めた過程も、同様の力学を反映している。つまり、成功は外国の支援だけでもたらされたのではなく、それを活用できる指揮系統があらかじめ存在していたために実現した。いずれのケースも、外部からの支援は、それを受け入れる制度基盤がすでに存在していたからこそ、国内アクターの力を増幅させることにつながったのだ。

チュニジアの2011年の革命では、民間の団体が同様の役割を果たした。この革命で街頭の抗議デモを交渉による政治移行につなげる制度的な「背骨」を提供したのは、組合員およそ80万人を擁し、全土に組織を張り巡らせたチュニジア労働総同盟(UGTT)だった。イランには、UGTTに匹敵するような組織はまったく見当たらない。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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