どう決めるか
最善の出発点は、いくつかの基本的な問いを立てることである。
自社のユースケースはどれほど独自・ニッチか。ほとんどの企業が日常的に行う一般業務であれば、まずは既製品から始めるのがよいかもしれない。競争上の差別化に直結する専門業務であれば、内製を検討する価値がある。
エンジニアリング、業務設計、プロジェクト管理のスキルは社内にあるか。なければ、既製ツールが不足分を補ってくれる。一方、DIYで取り組める社内チームがあるなら、自社の事情により合ったものを作れる可能性がある。
機微なデータや個人データを処理する予定があるか。内製なら、すべてを社内で完結でき、組織によってはそれがデータ保護の要件になり得る。既製品を使うなら、自社データを外部・第三者ツールに安全に渡せるかを必ず検証する必要がある。
どれほど早く成果が必要か。エージェントが価値を生み出せることを示す概念実証として「短期で成果を出す」施策を狙うなら、スピード面では既製ツールに分があるだろう。
最終的に、既製品と内製のどちらを選ぶにしても、プロジェクト、組織、人材、利用可能なスキルなど多くの側面を慎重に考える必要がある。
成功と失敗を左右する要因は、ツール選びだけではない。たとえば、エージェントを前提にした業務設計、データの整備状況、そして倫理的で信頼できるAIの原則を十分に理解しているかどうかも重要である。
しかしツールに関していえば、正しい選択とは自社の目標、能力、スケジュールに合致するものだ。ここを正しく判断できれば、エージェント型AIがもたらす変革の可能性を解き放つ道への第一歩を踏み出す準備が整うだろう。


