成熟したAIやセンシング技術は革新的なコンテンツを生み出せるか
同じくコロラド州デンバーからラスベガスに出展したHapWareは、触覚を通じた非言語コミュニケーションプラットフォームをCESで公開した。
同社が開発したデバイスは触覚センサーを内蔵するリストバンド型の「ALEYE」。スマートフォンを介してMetaのスマートグラス「Meta Ray-Ban」のカメラに接続して、対面する人物の表情を読み取る。「微笑んでいる」「いらだっている」等の感情を表情から推定して、特定の振動パターンを手首に伝える。言語を超えた直感的な意思疎通を可能にするデバイスだ。

同社の担当者はこのデバイスとサービスを「視覚に障がいを持つ方々のコミュニケーションを支援する目的だけでなく、教育や医療、さらにはメタバース空間における没入感の向上など、広範な用途に向けて提案したい」と意気込む。
CESの会場に展示したALEYE Wristbandはまだ試作中のプロトタイプだったため、デザインやフィット感にまだ改善の余地があると筆者は感じた。同社のサイトでプレオーダーが始まっている。価格は359ドル(約5万6000円)。同社の担当者は「今後発売に向けてさらにブラッシュアップを図る」と話していた。

2026年のEureka Parkに出展するスタートアップの展示を俯瞰して、筆者が強く感じたのは、AIやセンシングを含めて、昨今いよいよ成熟してきたデジタルテクノロジーが向かうベクトルが、単なる利便性の追求から「人間の可能性を再定義すること」へとシフトしつつあることだ。各社は、CESというグローバルな舞台で得たフィードバックを糧にしながら、今後もより「人に近づく」技術やサービスを磨き上げていくことが求められる1年になるだろう。
デジタルヘルスの領域にはまだ世界中で話題を振りまくようなキラーコンテンツがない。小さなスタートアップ企業にも、多くのユーザーが長く健康的に暮らすために欠かすことのできないサービスやデバイスをつくり出すチャンスがある。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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