海外スタートアップの独創的なデジタルヘルス関連デバイス
CES会場のEureka Parkに出展する海外のスタートアップにも目を向けてみたい。2026年は特に人間の感覚機能を補完・拡張するデジタルヘルスやアクセシビリティに関連する領域で、革新的なプロダクトやサービスを見つけることができた。
フランスのSeeHapticは、視覚障がい者を支援するためのハプティクスベルトを開発した。アイウェアに固定したカメラで周囲の環境を撮影し、その映像を独自のAIアルゴリズムによって深度マップに変換する。



ユーザーは、カメラとケーブルで接続されたハプティクスベルトを腰に装着し、歩行中に振動として伝えられる触覚信号を感じ取る。これにより、前方の障害物や周囲の歩行者の存在を把握し、回避しながら安全に歩行できるという仕組みだ。
ハプティクスベルトの内側には、合計256個の小型ソレノイド(電磁部品)が搭載されており、障害物のある方向に応じて左右を振動させることで、進行方向の状況を直感的にユーザーへ伝える。視覚に障がいを持つ方々に対して、従来の白杖や盲導犬を補完する新たな移動の自由を提供し、アクセシビリティ市場に大きなインパクトを与える可能性を持つテクノロジーだ。
米マサチューセッツ工科大学の研究者が集って設立したDephyは、歩行という日常的な動作を支援するパワードアンクル「Sidekick」を開発した。両脚の膝下に装着するウェアラブルデバイスだ。足首の動きをリアルタイムで検知し、適切なタイミングでモーターによる補助動力を提供する。足首の動きを足もとから支えるため、剛性の高いカーボンシートを組み込んだ専用のスニーカーが必要になる。

疲労軽減や関節への負担緩和を目的としており、高齢者の歩行支援だけでなく、長時間歩行を必要とする作業従事者を助けたり、登山やウォーキングなどのアウトドアレジャー向けの需要も見込む。1度のフル充電から4〜8キロ程度の距離をサポートするという、バッテリーパックのサイズが大きいことが気になるが、同社のスタッフによると「歩行をはじめればデバイスの重さは気にならなくなる」という。
米国では1月末から直販サイトで販売を開始する。価格は4500ドル(約71万円)とやや高価な商品だ。シューズも履き古してしまえば買い換えなければならない。同社がユーザーからどのような反響を得られるのか注目したい。



