北米

2026.01.16 10:00

米「戦争省」への名称変更、経費は約200億円との試算 立法化ならその数倍の可能性も

ドナルド・トランプ米大統領とピート・ヘグセス国防長官。2025年8月25日、米大統領執務室にて(Chip Somodevilla/Getty Images)

ドナルド・トランプ米大統領とピート・ヘグセス国防長官。2025年8月25日、米大統領執務室にて(Chip Somodevilla/Getty Images)

米トランプ政権が推進する国防総省から「戦争省」への名称変更には、1億2500万ドル(約198億円)もの費用がかかる可能性があることが、14日付の米議会予算局(CBO)の報告書で明らかになった。ドナルド・トランプ大統領は昨年9月、「戦争省」の名称使用を認める大統領令に署名し、「この名称の方がはるかにふさわしい」と述べていた

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CBOの報告書によると、国防長官室の管轄下においてのみ改称を行う「小規模な実施」ならば、必要経費は約1000万ドル(約16億円)に収まる。この場合、国防総省傘下の全機関を対象とした名称の全面的な見直しは行わない。

また、「最小限の実施」であれば経費は数百万ドルで済む。一方、広範な名称変更を迅速に行う場合、総費用は最大1億2500万ドルに達する可能性があるという。

CBOは改称にかかる費用の具体例として、文書テンプレートの更新に要する職員の作業時間、ウェブサイトの改訂、レターヘッドの変更、新たな看板や式典用物品などを挙げた。これらの総額は国防総省が「戦争省」の名称をどの程度積極的に導入するか、また「他の継続中の任務に対して名称変更をどの程度優先するか」によって左右されるとしている。

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報告書は、トランプの大統領令に基づく名称変更の実施方法を国防総省がまだ決定していないため、この見積もりは概算でしかないと指摘した上で、改称費用は「おそらく既存の予算から捻出されるだろう」と述べている。

フォーブスは国防総省にコメントを求めている。

上院予算委員会の民主党筆頭理事であるジェフ・マークリー上院議員(オレゴン州選出)は、CBOの分析結果を受けてトランプを強く批判。「トランプは、働く米国人の生活向上に全く関心がないことを改めて示した。国民が直面する住宅危機を(民主党の)でっち上げだと主張し続ける一方で、省庁の名称変更やホワイトハウスを金箔で飾る改修に大金を浪費している」と非難した。

国防総省の正式名称は、現在も国防総省のままだ。大統領権限では省庁の正式名称を変更することはできないため、「戦争省」に改称するには立法措置を講じる必要がある。CBOによると、国防総省は改称のための立法措置・行政措置の詳細をまだトランプに送っていない。

CBOの報告書は「法的な名称変更にかかる費用は、議会と国防総省の対応次第で数億ドルに上る可能性がある」としている。

トランプ政権は、軍事資産や基地の名称変更を習慣的に行っている。ピート・ヘグセス国防長官は就任前、バイデン前政権が南北戦争時の南軍の指導者に由来する名称を変更したことを激しく非難。昨年、複数の軍事基地の名称変更を発表し、南軍指導者と同じ名前の第一次・第二次世界大戦時の兵士にちなんで命名した。これは、米軍資産に南軍に関連した名称を付けることを禁じた法律を回避するためだ。

ヘグセスはまた、同性愛者の権利擁護活動家ハーヴェイ・ミルクの名前を冠した海軍艦艇の名称変更を命じた。ミルクは海軍の退役軍人で、米国で初めて同性愛者であることを公表して選挙に当選した公職者の一人だった。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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