銀(シルバー)は歴史的に二重の側面から評価されてきた。貴金属としての投資対象の側面と、太陽光パネルや電子機器などさまざまな技術に利用される工業用金属としての側面だ。金(ゴールド)の陰で目立たないことが多いものの、最近の価格変動により、銀は国際市場で最も活気ある商品の1つとして注目を集めている。
2025年に急上昇した銀価格
最近の動きを分析する前に、背景を理解しておこう。2025年を通じて銀価格は異常に急騰した。銀価格は年初、1トロイオンス29ドル前後で安定していたが、堅調な工業需要や供給の制約、投資家の関心の高まりに支えられて急上昇し、年末までに70ドルを超える最高値を更新した。
過去1カ月間の銀価格の推移
2025年11月下旬~12月下旬にかけての直近の1カ月間で銀価格は著しく変動したが、同年上半期と比較して高いレンジを維持した。銀価格は同期間に40ドル台半ばから70ドル台に急上昇した。投資家が安全資産としての需要と投機目的から貴金属に殺到したため、銀のスポット価格は80ドル近くまで上昇し、史上最高値を更新した。
だが、銀価格は年末までに急落した。利益確定売りと技術的な売り圧力が顕在化し、銀価格は12月下旬までに80ドル付近の高値から70ドル台半ばまで下落した。一部の市場や取引所では、先物市場や現地市場(インド・マルチ商品取引所(MCX)など)での急落を含む局所的な価格変動により、銀の変動性が高まった。
銀はなぜ値動きが激しいのか
過去1カ月間にわたって銀価格が大きく乱高下した背景には、複数の要素が関連している。
1. 供給制約と需要の動向 銀は重要な工業用金属として、特に太陽光パネルなどのクリーンエネルギー技術に不可欠であることから需要が高まっている一方で、世界全体の供給量は比較的限られている。
2. マクロ要因と投資家行動 金利引き下げとドル安への期待は、投資家がインフレヘッジを求めるため、通常は金属価格の上昇につながる。地政学的な緊張と戦略産業の需要増が、安全資産としての金属への資金流入を加速させた。
3. 取引所と規制要因 先物取引所の証拠金要件の引き上げにより、トレーダーがポジションを再構成する際に、価格の変動が上向きにも下向きにも拡大する可能性がある。
4. 政策と輸出規制 主要生産国による輸出許可規制などの新たな規制は、供給見通しを制限し、価格投機に拍車をかける可能性がある。
今後の見通し
2026年を迎えた今、見方は分かれている。需要が供給を上回り続ける場合、特に銀の新たな産業用途の拡大に伴い、長期にわたる強気相場が続くと予測する向きもある。他方で、最近の急激な調整は、今後リスクと変動性が高まる可能性を示唆しているとの見方もある。
投資対象としても産業用途としても、銀は今日の市場で最も注目される金属の1つであることは間違いない。その輝きだけでなく、価格変動が広範な経済動向を示しているからだ。



