米連邦捜査局(FBI)は現地時間1月14日、ワシントン・ポストのハンナ・ナタンソン記者の自宅を捜索した。パム・ボンディ司法長官は、この記者が逮捕された「情報漏洩者」から国防総省の機密文書を受け取っていたと主張している。この措置は、独立した報道機関に対する前例のない攻撃だとして批判を浴びている。
ワシントン・ポストによれば、ナタンソン自身はFBIの捜査対象ではない。ただし、連邦捜査官は捜査の一環として、バージニア州にある彼女の自宅から複数の電子機器を押収した。この捜査は、最高機密の保安資格を利用して報告書にアクセスし、それを自宅に持ち帰ったとして告発されているシステム管理者、アウレリオ・ペレス・ルゴネスを巡るものだという。
AP通信によると、「SECRET」と表示された文書がペレス・ルゴネスの自宅で発見され、その一部には弁当箱の中に入っていたものもあった。彼は国家防衛に関する情報の不法保有の罪で起訴されたとされている。
ボンディによれば、ペレス・ルゴネスは現在拘束中であり、ナタンソンの自宅捜索は国防総省、司法省、FBIの要請に基づいて実施されたという。
ワシントン・ポストの公式サイトに掲載されているナタンソンのプロフィールによると、彼女はドナルド・トランプ大統領による「政府機構の再編とその影響」を取材している。12月には、トランプ政権を取材した体験を一人称で記した記事を発表し、それをきっかけに連邦政府機関で働く1000人以上の関係者から、不満を共有したいとの連絡を受けたという。
ワシントン・ポストは、記者の自宅が捜索されることを「極めて異例かつ攻撃的だ」と批判した。この見解は、報道者のための報道の自由委員会(Reporters Committee for Freedom of the Press)の会長であるブルース・D・ブラウンも共有しており、こうした捜索を「法執行機関が取り得る最も侵襲的な捜査手段の1つ」であり、「報道の独立性に対する政権の介入が著しくエスカレートしたものだ」と表現した。
「これは、この政権が独立した報道機関に対する攻撃行為に何の歯止めも設けないことを示す、明白で看過できない兆候だ」と、同紙の元編集主幹であるマーティ・バロンはガーディアン紙に語った。
ナタンソンは、ワシントン・ポスト紙内で「数え切れないほどの必読記事を生み出す原動力」として知られていると同僚は語り、別の同僚は彼女を「献身的で疲れを知らない記者だ」と評している。ハーバード大学の卒業生で、2019年からワシントン・ポスト紙の記者を務めている彼女は、2021年1月6日付の同紙の報道に対する功績で2022年5月に授与された、公共奉仕部門のピューリッツァー賞受賞チームの一員でもあった。



