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2026.01.15 09:00

イラン抗議活動と米FRBへの調査を受け、金と銀の価格が過去最高を更新

Sven Hoppe/picture alliance via Getty Images

トランプはイランに対して「非常に強力な行動」を取ると警告

地政学的な不確実性は通常、安全資産と見なされる貴金属への需要増加を引き起こす。イランでは、政府の統治や低迷する経済を巡り、2週間以上にわたって抗議活動が続いている。米国に拠点を置くHuman Rights Activists News Agencyは14日、抗議活動に対する弾圧の中で2500人以上が死亡し、1万8000人以上が拘束されたと発表した。

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トランプは抗議活動を支持し、イランに対して「非常に強力な行動」を取ると警告したことで、イラン側は米軍基地への攻撃を示唆する事態となった。また、米国がベネズエラのニコラス・マドゥロを拘束したことも、1月に貴金属価格が上昇した大きな要因である。

さらに、中国による貴金属輸出規制も金と銀の価格を押し上げている。ゴールドマン・サックスのアナリストは先日、この規制により貴金属市場が「共有された世界的なシステムから、孤立した地域別在庫へと移行し」、価格が「急激かつ局地的に変動しやすくなる」と指摘した。

パウエルとトランプとの長年の確執

パウエルは先日公開した動画メッセージの中で、連邦検察当局から召喚状を受け取ったことを認めたが、この措置を「前例のないものだ」と批判し、「政権による脅しやFRBに対する継続的な圧力という、より広い文脈の中で捉えるべきだ」と述べた。今回の調査は、利下げを求めるトランプの要求に抵抗してきたパウエルに対する、トランプとの長年の確執が一段と激化したことを示している。

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調査が行われている一方で、トランプがパウエルの後任を指名する時期も迫っているが、現時点ではまだ公表されていない。トランプは先日、ニューヨーク・タイムズに対し後任は既に決めていると語ったものの、その名前は明かさなかった。ただし、経済顧問のケビン・ハセットが有力候補と見なされている。パウエルに対しては海外の中央銀行関係者からも支持が表明されており、欧州中央銀行、イングランド銀行、カナダ銀行などのトップが13日付けの共同声明で、「パウエルと完全に連帯する」と述べた。

このほかの要因は?

記録的な上昇となった2025年を通じて、金価格は最大で65%上昇し、銀価格は150%急騰した。価格上昇の背景には、複数回の利下げや貴金属需要の拡大など、複数の要因が重なっている。銀は電気自動車の製造やAIデータセンターなど、さまざまな技術分野で不可欠な素材である。2025年には、トランプが銀に関税を課すのではないかとの懸念から、大量の銀が米国の保管庫に流入した結果、ロンドンの取引拠点で供給逼迫が生じ、これも価格上昇に寄与した。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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