2026年1月6日から9日まで米ラスベガスで開催された世界最大のエレクトロニクスショー「CES 2026」では、AIの社会実装が一段と加速し、ロボット技術と融合して物理世界に働きかける「フィジカルAI」が大きな注目を集めた。
その一方で、個人のウェルビーイングや健康を支えるデジタルヘルス領域においても、センシング技術とAIの深化が目覚ましい。特に米国で急速に市場を拡大しているのが、加齢に伴う課題をテクノロジーで解決し、健康寿命を延伸させる「AgeTech(エイジテック)」や「Longevity(ロンジェビティ)」に関連する話題だ。
米国でこの分野のスタートアップを支援するAARP(全米退職者協会)のAgeTech Collaborativeが展開する活動について、責任者のアメリア・ヘイ氏に最新動向を聞いた。
AgeTechとは何か? 米国で触れた最前線のテクノロジー
エイジテックという言葉は、まだ多くの人々にとって馴染みが薄いかもしれない。
AARPのヘイ氏は、エイジテックを「加齢(エイジング)をあらゆる人にとってより楽なものにするためのソリューション」と定義している。ソリューションとは、単純に高齢者のためのテクノロジーやサービスを指すものではない。ヘイ氏によれば、例えば30代の生活者を対象に設計されたデバイスであっても、それが将来的に「より良く歩くこと」を支援する外骨格技術のようなものであれば、それは立派なエイジテックの候補になり得る。
慢性疾患への対処といった「負の解消」を目的とするものだけでなく、人間が50代、60代を迎えてもアクティブに、かつ健康的に過ごすための予防やウェルビーイングの維持・向上を目指すあらゆるテクノロジーが、この範疇に含まれる。その定義は極めて広範であり、ポジティブなものだ。
AgeTech Collaborativeのスタートアップ支援
AARPは、米国で5000万人以上の会員を抱える非営利組織(NPO)であり、50歳以上の人々の生活の質を向上させることを目的とする様々な活動を展開している。そのイノベーション部門であるAgeTech Collaborativeではエイジテック分野のスタートアップを支援し、市場を活性化させるためのアクセラレータープログラムを運営している。



