ヘイ氏によれば、現在このエコシステムには200社以上のスタートアップを含む、700社以上の企業やベンチャーキャピタル、大手企業が参加している。同組織のミッションは資金支援にとどまらず、スタートアップに対する実証実験の機会を提供したり、各自のプロダクトをスケール(拡大・展開)させるための橋渡しを行うことにある。
「以前はエイジング、つまり歳を重ねることにはネガティブなイメージがつきまといましたが、今のトレンドは異なります。人々がより長く、元気に自立して暮らせるようにするための技術が求められている」のだとヘイ氏は語る。
CESに参加したエイジテック系企業は何を見せたのか?
AgeTech Collaborativeが今年のCESに構えたブースには22社のスタートアップが参加した。その中でも特に筆者が注目した3つの企業の展示を紹介したい。
Elemind(エレマインド)はマサチューセッツ工科大学(MIT)出身の研究者たちにより設立されたスタートアップだ。同社が開発したヘッドバンド型デバイス「Elemind Sleep Headband」は、額の箇所に複数配置したEEG(脳波計)センサーで脳の状態をリアルタイムに読み取り、個々の脳波パターンに合わせた音響刺激を骨伝導スピーカーから届けることで、脳を覚醒状態から深い睡眠へと導く。独自のAIアルゴリズムである「AI Sleep Tailor」機能がユーザーの睡眠パターンを学習し、ユーザーに合わせて刺激パターンを最適化する機能もある。
AARPのヘイ氏は「質の高い睡眠をとることは、人々が脳の健康寿命を保つための重要な要素の一つ。Elemindの取り組みもエイジテックと深く結びついている」と述べている。不眠の悩みを抱える高齢者の中には、結果として薬物療法を選択する人々も少なくない。薬を使わず必要な時に素早く眠りに就いたり、出張の際に睡眠サイクルを崩しがちになるビジネスパーソンを支えることもできるスリープテック・デバイスとして、筆者は本機の持つ可能性に注目した。


